愛犬グーと過ごした日々をつづる、イラストエッセイです。
『だいすきなグー』や『いちばんたいせつなもの』等の作品を手がける、ごとうやすゆきさんの作品です。
イラスト付きのエッセイで、軽く読むことが出来るため、読書に抵抗がある方にも、おすすめです。
わがままで甘えんぼうな、愛犬グーを大好きになってしまうこと間違いなしの作品です。
では、読み進めていきましょう。
Contents
『ダメ犬グー 11年+108日の物語』の作品情報
題名 | 『ダメ犬グー 11年+108日の物語』 |
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著者 | ごとうやすゆき |
発行所 | 株式会社 幻冬舎 |
発行日 | 2006年9月10日 |
ページ数 | 253頁 |
作者情報
- ごとうやすゆき
作詞家。詩人。
『ダメ犬グー 11年+108日の物語』の絵本である『だいすきなグー』や『いちばんたいせつなもの』等の作品を手がける。
また、竹本聖(たけもとしょう)の、ペンネームももつ。竹本聖名では、『ありがとう。の本』や『だいすき。の本』等の作品がある。
あらすじ(ネタバレなし)
著者の家族に、1匹の大きな犬がやってきます。
犬の名前は「グー」といい、段々と、家族に欠かせない一員になっていきます。なかでも、著者とは散歩をしたり、旅行に行ったりと、欠かせないパートナーになります。
そんな仲良しな1人と1匹を描く、心温まるイラストエッセイです。
登場人物紹介
グー:本名は、グレイス。話の主人公。メス犬で、しっぽは短い。
ぼく:話の語り手。グーの飼い主。
書き出し紹介
うちへやってきた1匹の犬。生後8か月。メス。色は黒。
親が”グレイス”って名前をつけた。ぼくは”グー”って呼ぶことにした。
ストーリー(ネタバレあり)
この先、ネタバレがあります。ご注意ください。
グーがやってきた
グーが僕の飼い犬になりました。
最初、僕にだけ懐かなかったグーは、散歩をきっかけに、ゆっくりゆっくり仲良くなっていきます。グーは、甘えん坊で、わがままで、ちょっと変な犬です。
グーと僕との生活が始まっていきます。
グーとの生活
グーとの散歩は、毎回が冒険です。近所の散歩なのに迷子になったり、子どもに囲まれたり、一緒にお昼寝をしたり。毎日毎日、楽しい発見があります。
いつのまにか、グーは5歳になりました。
どんどんどんどん賢くなって、人間みたいにズルをしたり、空気を読んだり。まだまだグーは元気です。
8歳の時は、初めて那須に、旅行にも行きました。自由を満喫して、いっぱい遊びました。グーが大切な家族の一員になって、たくさんの季節が過ぎました。
ついに、グーは10歳になっていました。
頑張れグー
ある日、グーの具合が悪くなりました。病院に連れていくと、左腕に腫瘍ができていると言われました。
それからは、みるみるうちに具合が悪くなり、ご飯も食べられなくなります。起き上がるのが難しくなっても、やっぱりグーは撫でられるのが大好きで、甘えん坊のままでした。
そんなグーを見て、僕はグーが死んでしまうのではないかと悲しくなります。
グーよかったね
奇跡が起きました。
グーが、自分でご飯を食べられるようになったのです。やっぱり、よろよろしているけれど、自分で歩けるようにもなりました。
でも、僕たちは、グーの体調を考えて、手術をせず、グーの生きる力に任せることにしました。腫瘍は、少し大きくなってしまったけれど、僕たちは、グーが生きていてくれるだけでうれしいのです。
さよならグー
グーの腫瘍のある方の左腕が壊死してしまいました。そこからは、また段々とグーの具合が悪くなっていきます。そして、ついにご飯も食べなくなってしまいました。
僕たちの必死の看病もむなしく、ある日、グーは僕たちが少し目を離したすきに死んでいました。
その日、僕はグーの毛並みや体温や全てを忘れないように、グーにくっついて寝ました。それでもグーは、段々冷たくなっていってしまって、僕は涙が止まらなくなりました。
グーのこと
グーを亡くして3か月。
まだまだ悲しみは癒えません。グーの夢もたくさん見ます。ふとしたことでグーを思い出します。最後の時を看取ってやれなかったことを後悔もしています。
でも、きっとそれでいいのです。
グーと出会って、色々なことを経験して。初め、犬を飼うことを反対していた僕は、犬を失ったことをこんなに悲しむようになり、グーと出会えたことを、本当に感謝しています。
グーありがとう。
そして、もしも本当に生まれ変わりがあるのなら、また絶対に会おうね。
まとめ・感想
著者の語り掛けるような口調に、筆者も涙がこぼれそうになりました。
家族にたくさん可愛がられ、ずっと寄り添ってもらえたグーは幸せ者だと思います。
最後は、悲しい結末が待っていますが、全体を通して、グーと僕のお茶目な様子に元気づけられる、素敵なエッセイです。是非、疲れた日の、息抜きにおすすめの1冊です。
お付き合いありがとうございました。