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NHK理想本箱で紹介された「もう死にたいと思った時に読む本」の書評

Eテレ(NHK)で放送された、あなたと本の幸福な出会いを仲介するプライベートライブラリー「理想本箱」から、ブックディレクター・幅允孝(はば よしたか)氏が選んだ「もう死にたいと思った時に読む本」3冊の紹介とその書評を記します。

もう死にたいと思った時に読む本の書評

『人間滅亡的人生案内』深沢七郎

人間滅亡的人生案内

『人間滅亡的人生案内』作品紹介とあらすじ

1965年に創刊されたミニコミ誌の草分け的存在「話の雑誌」の人生相談コーナーから書籍化されたという辛口の”生き方指南の自己啓発本”。

著者の深沢七郎氏は、中央公論新人賞受賞した姥捨伝説を描いた小説『楢山節考』、そして右翼テロの引き金となった短編小説『風流夢譚』など作品全てが衝撃的話題作。後に日本中を放浪し埼玉で「ラブミー農場」を開いたという破天荒な作家である。本作品人間滅亡的人生案内』の辛辣で下品な語り(筆調)が彼の魅力ではあるが好き嫌いは別れるところ。死にたいと思うくらい切羽詰まっている時にはこのレベルの表現のほうが響くのかもしれない。

人間として生きるという言葉を信じません。ただわけもなく生きているのが人間です―叶わぬ恋の悩みから、仕事に倦むサラリーマン、将来に怯える学生まで…。いまなお光る、世間に媚びない独自のユーモアと痛快なる毒で、人間の生きる道を描き出す、唯一にして永遠の人生指南の書。

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『しろいろの街の、その骨の体温』村田沙耶香

しろいろの街の、その骨の体温

『しろいろの街の、その骨の体温』作品紹介とあらすじ

大ベストセラーとなった芥川賞受賞作『コンビニ人間』の著者・村田沙耶香の初期の作品で、人間をディープに描いた衝撃作。『コンビニ人間』よりもディープなので、もう死にたいと思ったらこれを読む前に先ずは『コンビニ人間』を読んでみることをおすすめしたい。それでもまだ死にたいと思ったらしろいろの街の、その骨の体温』で、どうぞ。もっと深いところまで連れて行かれます。

クラスでは目立たない存在である小4の結佳。女の子同士の複雑な友達関係をやり過ごしながら、習字教室が一緒の伊吹雄太と仲良くなるが、次第に伊吹を「おもちゃ」にしたいという気持ちが強まり、ある日、結佳は伊吹にキスをする。恋愛とも支配ともつかない関係を続けながら彼らは中学生へと進級するが――野間文芸新人賞受賞、少女の「性」や「欲望」を描くことで評価の高い作家が描く、女の子が少女に変化する時間を切り取り丹念に描いた、静かな衝撃作。

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『悲しみの秘儀』若松英輔

悲しみの秘儀

悲しみの秘儀』作品紹介とあらすじ

今回「もう死にたいと思った時に読む本」として選ばれた3冊の中で、個人的に最もおすすめしたいのがこの本。

悲しみとは何かを綴った短い26遍のエッセイを納めた一冊で、「人生には悲しみを通じてしか開かない扉がある。」「悲しむ者は新しい生の幕開けに立ち会っているのかもしれない。」という著者の言葉からも感じられるように、悲しみと対峙しなければならない時の共鳴とその術を共有することができる希少な本である。

もしあなたが今、このうえなく大切な何かを失って、暗闇のなかにいるとしたら、この本をおすすめしたい――(解説・俵万智)

宮沢賢治、須賀敦子、神谷美恵子、リルケ、プラトン、小林秀雄、ユングらの、死者や哀しみ、孤独について書かれた文章を読み解き、人間の絶望と癒しをそこに見出す26編。

「言葉にならないことで全身が満たされたとき人は、言葉との関係をもっとも深める」―-自らの深い悲しみの経験を得た著者が、その魂を賭けて言葉を味わい、深い癒しと示唆を与えてくれる。

日経新聞連載時から話題を呼び、静かなロングセラーとなった一冊。

文藝春秋
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ABOUT ME
わたなべ
読書家。選書家。アラフィフ(老眼)。リタイア済みなので暇に飽かして読みたい本・読むべき本を読みまくる。経済、哲学、歴史、科学に小説まで、分野問わず。読んでも読んでも読みきれないので速読法を会得。とはいえ、生きてる間に読める本には限界があるので、今何を読むべきなのか日々思案している。
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