『僕らのごはんは明日で待ってる』の作品情報
題名 | 『僕らのごはんは明日で待ってる』 |
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著者 | 瀬尾 まいこ(せお まいこ) |
発行所 | 幻冬舎 |
発行日 | 2016年3月18日 |
ページ数 | 255頁 |
瀬尾 まいこ・作者情報
1974年 大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。大学卒業後、中学校の国語教師に。働きながら執筆活動スタートし、26歳の時に書いた2001年に「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し作家デビュー。2005年に『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞受賞。2008年に『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞受賞。2019年に『そして、バトンは渡された』が本屋大賞。身近な悩みに寄り添ってくれるような親やすいストーリーと優しい文体で人気。
あらすじ(ネタバレなし)
中学のとき兄を病気で亡くしてから人との交流を拒み、授業中は空を見てたそがれ、休み時間は人が死ぬ小説ばかり読んでいた葉山亮太と両親の顔も知らない上村小春。
2人は高校最後の体育祭を前に親しくなり恋から愛へと変わっていく心温まる青春ラブストーリー。
やがて二人は家族となり、毎日一緒に美味しいごはんを食べ、幸せな未来を思い描くことが最高の幸せだと気づいた矢先、小春のカラダに異変が起き入院し手術することに…。
書き出し紹介
少しずつ時間を重ねるうちに、なんとなく忘れられそうな気がする。そのくせもう大丈夫だと奮い立たそうとすると、またあの日々が驚くくらい鮮明に蘇ってくる。
別れは生きていく上で逃れられない。そんなことはあちこちの歌でドラマで映画で描かれていて、百も承知だ。でも、自分の意思に反して起こる別れを、自力で消化しなくてはいけないなんて無茶だ。
ストーリー(ネタバレあり)
この先、ネタバレがあります。ご注意ください。ネタバレ部分は赤字で表記します。
【高校3年】
亮太は、兄の死によって人間は簡単に死ぬことを知り、無気力な生活を送るようになっていた。
そんな彼に声をかけてきたのが、同じクラスの上村小春。
高校生最後の体育祭の準備期間中、実行委員の小春は亮太に、「米袋ジャンプに決まったのでよろしく」と気軽に声をかけてきた。
米袋ジャンプとは、2人1組で米袋に入りジャンプしながら進むという競技。亮太は小春とコンビを組むことになった。
だけど亮太は体育祭の準備が始まっても無気力、無関心。そんな亮太に小春は一方的に話しかけ、涼太が関心を惹きそうな小説を次々と勧める。そんな健気で明るい小春に、亮太は徐々に心を開くようになった。
そして体育祭本番。二人の息がぴったり合って優勝。小春は亮太に告白する。だけど、突然の申し出に亮太は返事を保留に。人を好きになるのが怖い亮太は、小春の告白を受け入れることが出来なかった。
【大学時代】
告白を受け入れることはできなかっが小春のことが好きな亮太は、彼女が進学する女子大の近くの大学を受験し合格する。
大学進学をきっかけに2人は付き合うようになり、互いに心を開き合い心を通わすようになるのだが、小春の複雑な家庭環境を知り、2人はそれぞれ別々に自分探しの旅へと出かける。
そして突然、小春が一方的に別れを言い出し亮太のもとを去ってしまう。
彼女を失い、再び心を閉ざしかけた亮太に、同級生たちの勧めもあって新たな出会いが訪れる。
えみりという新しい彼女と付き合い始めた亮太。でも、いつも小春のことが頭から離れず、結局、えみりに別れを切り出すことになる。
再び小春と会う決心をした亮太。小春は頑なに「迷惑だから」と拒否していたが、自分には亮太が必要であると気づき、2人は再び付き合うようになり、ついに結婚することになった。
【社会人】
社会人となった二人は結婚し、幸せな結婚生活を送っていた。が、しかし、小春の体調に異変が生じる。
小春に起こったカラダの不調、それは子宮肉腫の疑いが強いとのこと。入院し子宮摘出手術を受けることに。
ネガティブすぎる涼太とポジティブな小春だが、二人とも家族にいい思い出がなく、むしろネガティブな印象を抱いていた。そんな二人が「家族」となり幸せな家庭を築いていこうとした矢先の出来事に、亮太はまたも大切な家族を失ってしまうのでは絶望し、家族をつくることが夢だった小春も憔悴してします。
そんな二人に生きる勇気を与えてくれたのが、小春と同室に入院している山崎さん。ガンで長期間入院しているという山崎さんの強くて優しい生き様に触れるにつれて、二人は二人のこれからの人生は夢と希望に満ちていることを知った。
まとめ・感想
瀬尾まいこさんの小説は、どれも、心温まるラブストリーです。
その中でもこの『僕らのごはんは明日で待ってる』は、映画化され、さらには漫画にもなった話題作。
特に映画は、中島裕翔と新木優子の共演で大ヒット。原作(小説)に忠実に描かれているので映像で観るのもおすすめですが、原作(小説)も半日くらいで読めてしまうので、原作を読んでから映画、映画を観てから原作(小説)、どちらでもイメージを損なうことなく両方楽しめると思います。
「最高も最低も乗り越える、7年越しの青春ラブストーリー!」。優しくて温かい気持ちになれる恋愛小説です。