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小説『ピエタ』のあらすじと感想|ネタバレなし

小説『ピエタ』は2012年の本屋大賞で第3位となり話題になった大島真寿美さんの出世作。その後大島真寿美さんは2019年に『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』で直木賞を受賞しています。

『ピエタ』は、読んでいると18世紀ヴェネツィアにタイムスリップしたかのような気分にしてくれる、リアルだけれどファンタジックな小説です。

小説『ピエタ』の作品情報

ピエタ
題名 『ピエタ
著者 大島 真寿美 (著)
発行所 ポプラ社
発行日2011/2/8
ページ数 336ページ

大島 真寿美・作者情報

大島真寿美

1962年愛知県生まれ。92年「春の手品師」で文學界新人賞を受賞。2011年刊行の『ピエタ』(ポプラ文庫)は第9回本屋大賞第3位。『あなたの本当の人生は』(文春文庫)は2014年第152回直木賞の候補作に。映画化された『チョコリエッタ』(角川文庫)、NHKでドラマ化された『虹色天気雨』『ビターシュガー』(ともに小学館文庫)、『戦友の恋』(角川文庫)、『ツタよ、ツタ』(小学館文庫)、『モモコとうさぎ』(角川文庫)など著書多数。

引用元:文藝春秋

あらすじ

18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児たちを養育するピエタ慈善院で“合奏・合唱の娘たち”を指導していた。ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる―聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独…あらゆる対比がたくみに溶け合った、“調和の霊感”。今最も注目すべき書き手が、史実を基に豊かに紡ぎだした傑作長編。

引用元:「BOOK」データベース

ストーリー解説

タイトルのピエタとは「慈悲」という意味。小説『ピエタ』は、1346年にヴェネツィアに創設された実在の「ピエタ慈善院(Ospedale della Pietà)を舞台に描かれている。

当初は捨て子の収容施設だったピエタ慈善院が、18世紀、ヴィヴァルディの時代には、付属音楽院のレッスンに貴族の子女まで通うほど有名になったという事実背景に基づくフィクションだが、まるですべてが真実のように思わせてくれるテクニカルな小説だ。

物語は、作曲家アントニオ・ヴィヴァルディがウィーンで亡くなったという訃報が、ピエタ慈善院にいる教え子・主人公のエミーリアに届くところから始まる。

エミーリアはピエタで育った孤児の女性。ヴィヴァルディから徹底した音楽指導を受けた「合奏・合唱の娘たち」の一員で、ともに育った仲間たちとヴェネツィアの裕福な貴族出身の女性や、コルティジャーナと呼ばれた高級娼婦などとの交流そして人間ドラマを、とても穏やかで優美な文体で記されている。

すでに故人となったヴィヴァルディと音楽がとても大きな役割を果たしている。音楽による結びつき、音楽があったからこその人生に他ならない。が、しかし、この小説の主テーマは音楽ではなくヴェネツィアの街と女性達である。

登場人物の女性達は、それぞれ立場や地位など置かれた環境は違うけれども、18世紀のヴェネツィアの街の中で、まさにヴィヴァルディの音楽のように美しく、ときに切なく、そして生き生きと生きている。

最後はそんな音楽=女性達に感動させられてしまう読後感が清々しい。

まとめ・感想

18世紀、しかも外国(ヴェネツィア)の話だけれども、全然違和感なく物語に入り込めてしまう不思議な本です。歴史小説みたいに小難しくことも一切無く、現代小説のように語感も易しく文体も優しい、とても素敵な小説なのでおすすめです。

ヴィヴァルディの音楽をBGMにすると更に素敵に読めるかもしれません。

ポプラ社
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ABOUT ME
わたなべ
読書家。選書家。アラフィフ(老眼)。リタイア済みなので暇に飽かして読みたい本・読むべき本を読みまくる。経済、哲学、歴史、科学に小説まで、分野問わず。読んでも読んでも読みきれないので速読法を会得。とはいえ、生きてる間に読める本には限界があるので、今何を読むべきなのか日々思案している。
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