Eテレ(NHK)で放送された、あなたと本の幸福な出会いを仲介するプライベートライブラリー「理想本箱」から、ブックディレクター・幅允孝(はば よしたか)氏が選んだ「将来が見えない時に読む本」3冊の紹介とその書評を記します。
Contents
将来が見えない時に読む本の書評
『女の一生』伊藤比呂美
『女の一生』の作品紹介とあらすじ
「あたしはあたし」として生きる潔さを語る人生の極意の書
ブックディレクター・幅允孝
女性詩人による女性の生き方指南本。といっても堅苦しいものではなく、生きていく上で起こりうる様々な人の色々な悩みに対してQ&A形式で、誰にでもわかりやすく、そして面白く記されている。自己啓発ではなく自己肯定本なので、希望を見いだせる、かも、。伊藤比呂美ならお経の現代語訳『いつか死ぬ、それまで生きる 私のお経』もおすすめ。人生とは何なのか、生きるとは何なのかが見えてくる。
『十皿の料理』斉須政雄
『十皿の料理』の作品紹介とあらすじ
牛尾の赤ワイン煮、仔羊のロースト、トリュフのかき卵、しそのスープ、赤ピーマンのムース…。十皿の料理に、著者のフランスの十二年間が結実する。さりげなく、究極の味!
「MARC」データベースより
レストラン「コート・ドール」のオーナーシェフの著者の自叙伝。レシピ本ではありません。代表的な十皿の料理をきっかけに、思い出やその時の生き方や考え方、仕事=料理=人生に対する哲学が綴られたとても素敵な本。この人の料理は絶対美味しいしこの人の人生も絶対素晴らしいと思わせてくれる。いろんな意味で役に立つ本だと思う。
『永遠の詩02』茨木のり子
『永遠の詩02』の作品紹介とあらすじ
ままならない日常を1ミリでも前に進めようとするかのように、明るく快活で強い言葉で励ましてくれる詩集。
ブックディレクター・幅允孝
弱ったこころを勇気づけ、希望に導いてくれた詩人、茨木のり子。そこにはいつも生きるための言葉があった。亡き夫への想い溢れる最後の詩集『歳月』も収録。詩人・高橋順子による鑑賞解説付き。
「BOOK」データベースより
将来が見えなくなった時、この本の存在を思い出しページを開くことが出来たらならどんなに救われることだろう。一冊の本との出会い、一篇の詩との出会いで人生は一変することもある。
『永遠の詩』は、読者に生きる勇気を与える8人の詩人(八木重吉 ,萩原朔太郎,宮沢賢治,石垣りん,中原中也,山之口貘 ,茨木のり子,金子みすゞ)の傑作詩40~50編をセレクトしたシリーズ物。必ず自分に合った本(詩)に出会えると思うのでおすすめだ。