ゾウの神様、ガネーシャとの日々を描いた大人気作品です。
『ウケる日記』や『スパルタ婚活塾』等の作品を手がける水野敬也(みずのけいや)さんの作品です。
神様らしくないガネーシャの行動やしゃべりに、思わず笑ってしまうこと間違いなしです。
この作品は、Amazonのprime会員だとKindleで無料で読むことが出来ます。是非、チェックしてみてください。
では、読み進めていきましょう。
小説『夢をかなえるゾウ』の作品情報
題名 | 夢をかなえるゾウ |
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著者 | 水野敬也 |
発行所 | 飛鳥新社 |
発行日 | 2011年5月 |
ページ数 | 398頁 |
水野敬也・作者情報
小説家。『ウケる技術』や、『雨の日も、晴れ男』等の作品を手がける。中でも、『夢をかなえるゾウ』は、200万部を超える売り上げを誇り、女優の水川あさみさんや、俳優の小栗旬さん主演で、ドラマ化もされた。
また、水野愛也のペンネームも持ち、『スパルタ婚活塾』や、『LOVE理論』等の作品も執筆している。
あらすじ(ネタバレなし)
ある日、目を覚ますと、目の前にはゾウの恰好をした不思議な怪物が座っていた。驚く僕を前に、怪物は、ガネーシャという名前の神様であると名乗る。
そして、ガネーシャを前に呆然とする僕を前に、関西弁でべらべらとしゃべり始めたのだった。ひょんなことから、僕は、自分を変えるための技を、ガネーシャに教えてもらう契約を交わしてしまう。
そんな弱気な僕が、ガネーシャの教えをもとに、変わっていくまでの物語。
登場人物紹介
僕:一般的な会社員。ガネーシャにいつも丸め込まれている。
書き出し紹介
「おい、起きろや」
聞きなれない声に目を覚ました僕は、眠気で重いまぶたをゆっくりと持ち上げた瞬間、眼球が飛び出るかと思うくらいの衝撃を受けた。
なんだ、コイツは⁉
ガネーシャと僕の初対面の場面から、物語は始まります。
ストーリー(ネタバレあり)
この先、ネタバレがあります。ご注意ください。
0
ある日、僕が目を覚ますと、目の前にゾウのような見た目をした不気味な生き物が座っていた。そして、ゾウの神様ガネーシャであると名乗った。しかし、神様というのに、関西弁を話し、口も悪い。
そんなうさんくさい神様ガネーシャは、何もかもが中途半端な僕を「変える」方法を教えてくれると言った。信頼には欠けたが、試しに僕はガネーシャを信じてみることにした。
1
今日の課題:【靴を磨く】
僕が自分を変えるために、ガネーシャから初めて出された課題は、「靴を磨く」ことだった。靴を磨く作業は、思いのほか気持ちがよかった。しかし、こんな地味な作業で本当に変われるのかという疑問が残る。
2
今日の課題【コンビニでお釣りを募金する】
ガネーシャの教え通り、僕はコンビニで、お釣りの100円を募金した。なんだか恥ずかしいようなこそばゆい感じだった。
3
今日の課題【食事を腹八分に抑える】
教え通り、腹八分を心掛け、昼食を少し残してみた。いつもは、昼食後の昼頃眠くなってしまうことが多いのだが、その日は眠くならなかった。なんだか仕事へのモチベーションも少し上がった気がした。
4
今日の課題【人が欲しがっているものを先取りする】
人が欲しがっていることを先読みするというのは、なかなか大変なことだった。しかし、常に『この人は、何をしてほしいのだろうか』と考えることでは、全ての人をお客様だと思うことだと気づいた。これを続けていけば、仕事の感性も磨かれそうだ。
5
今日の課題【会った人を笑わせる】
今日の課題は難しかった。課題を実践しようと、職場の女の子にダジャレを言ったら、全く受けなかったのだ。しかし、僕のダジャレにガネーシャは大笑いしてくれた。
6
今日の課題【トイレ掃除をする】
1日の初めに、トイレ掃除をしてみると、なんだか1日が違った。今までためていた仕事も終わらせ気分がいい。珍しく同僚とも飲みに行くことにした。
7
今日の課題【まっすぐ帰宅する】
昨日の夜、同僚と飲みに行き、酔って帰ってきたら、ガネーシャはご立腹だった。そんなガネーシャに、罰として僕の姿を奪われてしまった。僕の姿で、会社に行くガネーシャを見て、僕は寒気がするのを感じた。
案の定ガネーシャは、会社で「自分は神様だ」などと主張し、次の日出勤すると、僕は会社で白い目で見られるようになってしまっていた。腹いせも込めて、僕は仕事後、まっすぐに帰宅した。
8
今日の課題【その日頑張れた自分をホメる】
今日1日を振り返ってみると、頑張ったと思えることがいくつか見つかった。そんな自分を確認するのは、とても楽しい作業だった。
9
今日の課題【一日何かをやめてみる】
会社から帰ると、テレビの電源をつけるのをやめてみた。さらに、ノートパソコンも起動させなかった。電源がついていると、ついメールチェックをしてしまうし、必要のないネットサーフィンをしてしまうからだ。そうすると、時間がぽっかりと空いたので、珍しく読書をしてみた。
しかし、ガネーシャは、「テレビをみないように」や「本を読むように」といった意識を変えるだけでは、不十分だという。テレビの電源コードを抜くというような、「具体的な行動を起こさなければならない」というのだ。
10
今日の課題【決めたことを続けるための環境を作る】
まずは、自分がだらけてしまう原因となっているソファを捨てた。思い切った行動をした僕の気分は高揚していた。
11
今日の課題【毎朝、全身鏡を見て身なりを整える】
段々と自分が変わってきていることを感じ、気分が高揚していた僕を見て、ガネーシャは清潔感をもって、外見も変えることが大切だと言った。
12
今日の課題【自分が一番得意なことを人に聞く】
転職を疑われながらも、職場の同僚にさりげなく聞いてみると、意外な答えが返ってきた。それは、「ひとりでする作業が得意なのではないか」ということだった。これは自分では気づかなかったことだったが、言われてみると当てはまることは多く感じた。
13
今日の課題【自分の苦手なことを人に聞く】
自分の長所を知るためには、短所を知ることが重要だとガネーシャは言う。そこで、自分探しをしていると疑われながらも、またしても僕は、会社の同僚に短所を聞くことになった。
14
今日の課題【夢を楽しく想像する】
ガネーシャは、夢を楽しく想像するためには、気持ちの持ち方が重要だと語った。
15
今日の課題【運が良いと口に出して言う】
今日は、電車が事故で遅れたが、「運が良い」と思うことにした。「自分が乗っている電車が事故に遭うよりは良かった」等と考えるうちに、いつもより何事にもイライラせずに過ごせるようになったと思う。
16
今日の課題【ただでもらう】
この課題は、今までで1番難しく感じた。なんとか僕は、課長にただでコーヒーを買ってもらえるようお願いした。いぶかしがられたが、コーヒーを買ってもらうことには成功した。「タダより高いものはない」なんて言うが、確かにその通りだと思った。
17
今日の課題【明日の準備をする】
休日、「ドドンパ」に乗りたいと騒ぐ、ガネーシャを連れて、富士急に行くことにした。富士急を明日に控え、期待に胸を躍らせるガネーシャは、分刻みのスケジュールを立てさせた。
18
今日の課題【身近にいる一番大事な人を喜ばせる】
課題を聞いて、久しぶりに僕は母に電話を掛けた。久しぶりすぎて、いぶかしがられたが、やはり母は嬉しそうだった。
19
今日の課題【誰か1人のいいところを見つけてホメる】
面と向かってホメようとすると恥ずかしく、この課題は難しかった。相手をよく見て、相手をしっかり知った上で、良いと思ったところを正直に言う。これがホメるということなのだと改めて気づいた。
20
今日の課題【人の長所を盗む】
この日は、社内で1番成績のいい同僚と過ごすようにした。彼の営業力等をどうやったら身につけられるか考えながら過ごしていると、自然と口調や仕草が似てくることに気づいた。
21
今日の課題【求人情報誌を見る】
ガネーシャに言いくるめられ、僕は副業を探すことになった。あっという間に面接が決まり、面接に向けて神頼みをしに、ガネーシャとお参りに行くことになった。
22
今日の課題【お参りに行く】
お参りに行くと、ガネーシャが神頼みの裏技を教えてくれた。お参りするときに、お願いだけをするのではなく、「神様いつも良くしていただいて、ありがとうございます。」と言うと3割増しで願い事を聞いてもらえるというのだ。
23
今日の課題【人気店に入り、人気の理由を観察する】
会社の近くの、オープンしたてで、行列のできているとんかつ屋に行ってみた。店員が不慣れなこともあり、料理が出てくるまでには時間がかかったが、教えのおかげか、良い点も悪い点も考えながら、ゆったりとした気持ちで待つことが出来た。
24
今日の課題【プレゼントをして喜ばせる】
プレゼントをした経験が少ない僕は、誰に何をあげたらいいのかさっぱり分からなかった。ふと考えていると、最近風邪が会社ではやっていることを思い出し、風邪薬をプレゼントすることに決めた。ドキドキしながらプレゼントすると、思いのほか喜ばれ、心がじんわりと幸せな気持ちになった。
25
多くの課題をこなし、僕は多くのことを学んだ。しかし、ガネーシャはこのままでは僕は変われないという。ガネーシャの教えに「期待」し、自分が変われると思っている僕に、「期待」は、幸福感の前借りで、「期待をしている限り、現実は変えられない」と言った。
そういうガネーシャを見ると、ガネーシャの体が薄く消えかかっていることに気づいた。聞くと、ガネーシャはそろそろ僕の元を去らねばならないという。
そんなガネーシャに、僕は最後のお願いをした。それは、「本当に自分を変えたい」というものだった。
最後の課題1
今日の課題【やらずに後悔していることを今日から始める】
考えてみると、たくさんの後悔が見つかった。しかし、その中でも、最も後悔しているのは、「建築の仕事に就きたい」という思いを捨てて、目先の利益の多い、今の仕事に就いたことだった。おぼろげながらも自分のやりたいことが見えてきた。その夢に向かって、僕は計画を立て始めた。
最後の課題2
今日の課題【サービスとして夢を語る】
中学時代からの友人に会い、僕は今の自分の夢を語ってみた。話してみると、夢が現実に近づいたようで、気持ちが昂るのを感じた。しかし、自分勝手な夢の一人語りにならないよう、友人にも意見を聞いてみた。
最後の課題3
今日の課題【人の成功をサポートする】
この課題は大変だった。この課題を実行するためには、やりたくないことも、こなさなければならないからだ。しかし、人の成功をサポートすることが楽しいと思えるようになったら、僕は何でもできるようになる気がした。
ガネーシャが僕の元を去る時間は、刻一刻と近づいてきていた。ガネーシャの体は、もう後ろが見えるほど透けてきていた。
最後の課題4
今日の課題【応募する】
「奇跡」を起こす力があるとガネーシャが豪語する、「応募」をしてみることにした。建築関係の応募は、思いのほかたくさんあり、未経験の僕でもできるものも多くあった。しかし、応募のための作業に取り掛かってみると、「もう手遅れなのでは」といったような不安が僕を支配し、何度も手が止まった。それでも僕は根気強く手を動かし続けた。すると、自然と作業に没頭していった。
最後の課題5
今日の課題【毎日感謝する】
もうほとんど見えなくなったガネーシャは、「世界をかたちづくるもの何にでも感謝するように」といった。きっとであった頃にこの話をされていたら、僕は耳を貸さなかっただろうが、今の僕には、ガネーシャの言う「感謝」の意味が少しわかった。
別れ
ついにガネーシャとの別れがやってきた。僕との思い出をひとしきり語った後、「世界を楽しんでや。心ゆくまで」という言葉を残して、ガネーシャは去っていった。
まとめ・感想
この話を読みながら、少しづつ自分の気持ちも、変わっていくのを感じました。初めは、僕とガネーシャの面白いやり取りを読んで笑うのみで、ガネーシャの教えを深く考えることはありませんでしたが、段々と自分も実行していきたいと考えるようになりました。
小説としても、とても面白くどんどん読み進めることが出来るため、普通の自己啓発書等では、読む気がしないという方にもおすすめの1冊です。
また、この作品は、Amazonのプライム会員だと、Kindleアプリで無料で読むことが出来るため、是非1度読んでみてください。
お付き合いありがとうございました。