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『英語の神様』の作品情報
題名 | 『英語の神様』 |
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著者 | 小野七夏(おのななか) |
発行所 | Amazon Services International,Inc |
発行日 | 2014年8月13日 |
ページ数 | 156頁 |
小野七夏・作者情報
英語の神様
小野七夏(おのななか)
小説家。シンガポールや台湾で生活していた経験もある。
「現地採用女子!」や「ティナの旦那様」等の作品を手がける。
あらすじ(ネタバレなし)
会社で英語が要求されるものの、どうしても英語が上達しない池尻は、最後の手として、インドにいるという「英語の神様」を、探しにきた。しかし、なかなか英語の神様は見つからず、唯一「英語の神様」を知っていたのはアンドリューというシンガポール人の男だけだった。
怪しい男にしり込みする池尻だったが、背に腹は代えられぬと、英語の神様に英語を教わるために、先にアンドリューからある程度英語を教わることに決まった。
登場人物紹介
- 池尻:日本の会社員。会社で英語を話すことを求められ、インドに英語の神様を探しにきた。
- アンドリュー:英語の神様を知っている唯一の人物。アンドリューに英語を教える。
- マニー:アンドリューの娘。わがままな性格。
書き出し紹介
カジュラホ空港近くにあるホテルのエントランスを出たところで、池尻はハウスキーパーの制服を着た男に呼び止められた。男の手には、今朝まで池尻のものだったTシャツが握られている。コーヒーをこぼし、大きなシミができてしまったので、ゴミ箱に捨ててきたものだ。
ストーリー(ネタバレあり)
この先、ネタバレがあります。ご注意ください。
神様に会いに行く
ある日、池尻の会社がアメリカ系の会社に買収された。それからというもの、社内の言語は英語に統一され、英語を話すことを強要された。真面目な池尻は勉強し、読み書きはある程度できるようになった。しかし、問題は話すことだった。段々と周りの社員に抜かれていくこの状況に耐えられなくなり、ついに池尻は鬱病を発症した。病気を申告すると、休職が認められた。
その休職を利用し、池尻はインドまで「英語の神様」を探しにいくことにした。「英語の神様」という情報は、ネットの掲示板で見つけた。見るからに怪しかったが、今の池尻には他に手段はない。
インドに降り立つと、ネットに書かれていた寺院に毎日通いつめているが、「英語の神様」らしき人はおらず、情報を知っているものもいなかった。
神様の行方
あまりにも神様が見つからないので、近所の寺院を散策してみることにした。すると、ついに「英語の神様を知っている」という男に遭遇したのだった。
これが修行かよ!
男は、ネイティブな日本語を話すが、シンガポール人のアンドリューだと名乗った。いかにも怪しいアンドリューだむたが、「英語の神様」に会わせてくれるくれるという。背に腹は変えられない池尻はアンドリューの言葉を信じてみることにした。しかし、神様は忙しく、すぐにやめてしまう人には教えないというため、先にアンドリューからある程度、英語を教わることになった。
アンドリューからの最初の課題としてペーパーブックが渡された。どうせ飽きると考え、嫌々本を開いてみると、ふざけた内容の話で、すっかり入り込み、1日で読み切ってしまった。アンドリューからは次のペーパーブックが渡された。前回よりも退屈な内容だったが、練習と考え読み進めた。ある時から読むスピードが急激に上がり始めた。内容の大筋をつかめるようになったのだ。これはコミュニケーションの場面でも生きるかもしれないと池尻は考えた。その後もアンドリューからの課題は次々と出された。池尻は、次第に自分が楽しく課題をこなしていることに気づいた。
爆泣き悪魔
ある日アンドリューとの待ち合わせ場所に出向くと、アンドリューの代わりにアンドリューの娘マニーが待っていた。話を聞くと、アンドリューは急用でシンガポールに帰るため、娘の面倒を池尻に頼むというのだ。英語の神様に会うため、仕方なくマニーの世話を引き受けたが、それがとてつもなく大変だった。マニーは癇癪持ちですぐに泣き、怒るのだ。アンドリューがいない間、池尻はマニーの機嫌をとりながら過ごした。しかし、池尻とマニーは段々と仲良くなっていった。
ある日、アンドリューが帰ってきた。そして、「いつ日本に帰るんですか?」などと英語の神様に会わせるという約束を忘れたかのような質問をする。約束を忘れられた池尻がアンドリューに怒鳴ると、アンドリューは、「もう修行は終わりました」という。そう、英語の神様とはマニーのことだったのだ。
コメヤロー再び
日本に帰った池尻は、英語で行われる会社の会議でも爪痕を残せるようになった。以前であれば発言を控えていたところでも、しっかり発言する。文法のミスなどではへこたれない。池尻は性格まで少し変わったようだった。
まとめ・感想
筆者も含め、英語が話せるようになりたいと願う人にぴったりの一冊だと思いました。
つい文法や発音等を気にしてしまい、なかなか英語を話せないことは多くありますが、実際には、話すことで上達していくのだということを強く感じました。
Amazonのprime会員の方は、無料で読むことのできる作品なので、是非一度読んでみてください。
お付き合いありがとうございました。