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『マリーの愛の証明』のあらすじと感想|ネタバレあり

『マリーの愛の証明』の作品情報

題名『マリーの愛の証明』
著者川上未映子(かわかみみえこ)
発行所 Amazon Publishing
発行日2017/10/31
ページ数23頁

川上未映子・作者情報

小説家。2008年に、2作目の著書となる「乳と卵」で、芥川賞を受賞。その後も、「ヘヴン」等の作品を手がけ、注目されている。

また、エッセイも執筆しており、『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』等の作品がある。

あらすじ(ネタバレなし)

マリーは「死ね」という言葉を使うことができなかった。もちろん口に出すことはできないし、頭で考えることもできない。そんなマリーは孤児院のミア寮というところで暮らしている。ミア寮でピクニックに出かけた際、最近別れた元恋人カレンに1つの疑問を問いかけられる。

登場人物紹介

    マリー:ミア寮で暮らす少女。幼少期に大きなトラウマを抱えている。
    カレン:ミア寮で暮らす少女。マリーと先週まで付き合っていた。

書き出し紹介

死ね、という言葉を人にむかって決して言ってはならないという教育のおかげで、マリーはこれまで一度も人にむかってそう言ったことはなかったし、また、内心でもそんなふうに思ったことはなかった。

ストーリー(ネタバレあり)

この先、ネタバレがあります。ご注意ください。

マリーは「死ね」という言葉を今まで一度も使ったことがない。人に向かってはもちろん、内心でも思ったことがない。それは、ひどく厳しかった父親の教育によるもので、父親に怯えるマリーはいつの間にか「死ね」という言葉を使えなくなったのだった。

マリーは今孤児院のミア寮にいる。怖かった父親と離れてからもう長い年月が経ったが、今でも父親の姿はマリーの目に焼き付いており、ふと恐怖に震えることがある。マリーの辛い過去は、マリーをずっと苦しめていた。

ある日、マリーはミア寮でピクニックに来ていた。そこで、先週まで付き合っていた元恋人のカレンに話しかけられた。マリーの気持ちは完全に冷めており、久しぶりに話すと、カレンの悪いところばかりが目に映った。思い出話を一方的に話していたカレンが、ふとマリーに「自分のことを本当に愛していたか」と問いかける。初めは強くあしらい、問いに応えようとしなかったマリーだったが、カレンと離れてから、もう一度問いについて考え始める。

ピクニックの帰り道、マリーはカレンに話しかけた。そして、カレンの問いに自分なりの答えを突きつける。マリーがカレンを愛していたかは証明できないが、今愛していないからといって、愛が消えるわけではない。愛というものは常にあるもので、そこに触れたり触れなかったりするものなのだと必死に話した。

まとめ・感想

普段何となく持っている愛の概念について、考えさせられる作品でした。

孤児院という環境ながら、必死に成長し、前を向いて歩いていく少女達の姿に心を動かされました。

短編作品のため、スキマ時間の読書にもオススメです。

お付き合いありがとうございました。