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『哀しい予感』のあらすじと感想|ネタバレあり

過去の記憶がない少女が、過去を探る旅に出る物語です。

『キッチン』や『TSUGUMI』等の、有名作を手がける、大人気作家吉本ばななさんの作品です。

 

「哀しい予感」というタイトルですが、ラストには、想像を裏切るような感動が待ち受けています。

大好きなおばとの、絆の物語です。

では、読み進めていきましょう。

『哀しい予感』の作品情報

題名哀しい予感
著者吉本ばなな(よしもとばなな)
発行所株式会社 幻冬舎
発行日2006年12月15日
ページ数179頁

作者情報

  • 吉本ばなな

小説家。『キッチン』『TSUGUMI』等の、有名作を手がける。

国内のみならず、海外でも人気があり、海外版に翻訳されている著書も、多くある。

エッセイも執筆し、『素晴らしい日々』等の作品がある。

あらすじ(ネタバレなし)

19歳の少女弥生は、幸せな家庭の一員として、何不自由なく育った。

しかし、そんな彼女は、幼い頃の記憶が全くないという、問題を抱えていた。

彼女には、心の通じ合うおばがいた。

おばと触れ合う中で、段々と分かっていく、自分の過去は、思いもかけないものだった。

切なく、そして感動の物語です。

登場人物紹介

弥生(やよい):物語の主人公。幼い頃の記憶がない。
哲生(てつお):弥生の弟。姉思いで、優しい。
ゆきの:弥生のおば。変わり者だが、弥生とは、通じ合っている。

書き出し紹介

その古い一軒家は駅からかなり離れた住宅街に合った。巨大な公園の裏手なのでいつでも荒々しい緑の匂いに包まれ、雨上がりなどは家を取り巻く街中が森林になってしまたような濃い空気がたちこめ、息苦しいほどだった。

ストーリー(ネタバレあり)

この先、ネタバレがあります。ご注意ください。

1~3

19歳の弥生には、年の近いおばがいた。おばは、変わり者だったが、弥生とおばは、昔から仲良しで、家出をすると、よくおばの家を訪れていた。

弥生は、昔から自然と叔母の気持ちが分かるのだった。19歳の夏の日、弥生は、ある予感を胸に、おばの家を訪れた。

4・5

弥生は、幼い頃の記憶がなかった。

何ともないある日曜日の昼、家族と話す弥生の頭に、1つの映像が流れた。

その映像の中で、弥生は幼く、姉がいて、自分の家族とは、異なる夫婦が映っていた。

6~8

あの日曜日から、胸に浮かんだ予感は消えず、ついに弥生は家出を決行し、おばの家に向かった。

そこで、映像の中にいた姉の姿に、おばの面影があったことに気づく。

ふとその予感をおばに告げると、驚くこともなく、おばは、弥生と兄弟であり、別の両親がいることを認める。

過去について聞く中で、弥生とおばの両親は、家族旅行で交通事故に遭い、亡くなったことを知る。

9~11

次の朝、弥生が目を覚ますと、おばはいなくなっていた。

弥生は、直感的に、おばが、しばらく戻らないであろうことを知る。

そんな時、大好きな弟の哲生が現れる。

いなくなったおばを追って、哲生と弥生は、おばが好きだった軽井沢の別荘まで探しに行くことを決意する。

12~15

別荘についてみると、おばはいなかったが、おばがいた痕跡だけが残っていた。

翌朝、別荘に来客があった。来客の名前は立野くんと言い、おばと交際していたという。

話を聞いてみると、おばは、彼との子供を堕ろしたとだけ言い、音信不通になったため、探しに来たという。

軽井沢の別荘で、数日を過ごした後、おばは別荘には戻ってこないと確信し、弥生はもう一度おばの家に戻ってみることを決める。

しかし、その数日間で、弟の哲生へ、兄弟以上の感情が芽生え始めていることに気づく。

それは、哲生も同じで、互いに気持ちを伝えあった。

16~27

おばの家に帰った弥生は、床に落ちていたガイドブックを見て、おばは、最後の家族旅行になった青森へ行ったことを悟る。

急いで、弥生も青森へ向かうと、恐山を訪れていたおばを見つける。

この頃には、弥生は幼い頃の記憶を、完全に取り戻していた。

おばと、姉妹として、ゆっくり話していると、これからの新しい未来も、上手くやっていけるような気がした。

まとめ・感想

1冊を通して、どこか切なく、それでいて、希望のある小説でした。

どんな境遇でも、しっかりと受け入れ、未来へ向かっていける弥生は強く、私も見習っていきたいと感じました。

ページ数も比較的少なく、すぐに読めてしまうので、小説に抵抗がある方にも、是非読んでいただきたい1冊です。

お付き合いいただき、ありがとうございました。