日本ではあまり馴染みのないスピーチライターというお仕事をフィーチャーしテレビドラマにもなった原田マハさんの人気小説。
私たちの人生において身近な存在である結婚式や政治(選挙)のシチュエーションがリアルに描かれているので、とても面白く一気に読めてしまう小説です。また、魅力的な言葉、人の心を動かす感動の言葉が沢山出てくるので、今後もしスピーチの機会があったら役に立つこと間違い無しです。
少しネタバレとなりますが、あらすじと合わせて参考となるスピーチ文の一部を引用し紹介します。
『本日は、お日柄もよく』の作品情報
題名 | 『本日は、お日柄もよく』 |
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著者 | 原田マハ |
発行所 | 徳間書店 |
発行日 | 2013/6/15 |
ページ数 | 329頁 |
原田マハ・作者情報
1962 年東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事株式会社、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年フリーのキュレーター、カルチャーライターとなる。2005年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、2006年作家デビュー。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞を受賞。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞を受賞。ほかの著作に『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『たゆたえども沈まず』『常設展示室』『ロマンシエ』など、アートを題材にした小説等を多数発表。画家の足跡を辿った『ゴッホのあしあと』や、アートと美食に巡り会う旅を綴った『フーテンのマハ』など、新書やエッセイも執筆。
引用元:原田マハ公式ウェブサイト
『本日は、お日柄もよく』のあらすじ
製菓会社に勤めるOL、こと葉。密かに想いを寄せていた幼馴染みでもある厚志の結婚式のスピーチの最中、あまりのつまらなさに眠気を我慢できずスープ皿に顔を突っ込んでしまいます。恥ずかしさのあまり席を立ち外に出た際に声をかけられた女性・久遠久美がその後の披露宴で圧巻のスピーチを披露。会場全員に感銘を与えるそのスピーチにこと葉も感動。実は久遠久美は、厚志の今は無き父で国会議員だった篤郎のアドバイザーであり伝説のスピーチライターと言われる凄い人でした。
会社の同僚で親友の千華の結婚式のスピーチを頼まれていたこと葉は、久遠久美にスピーチのコツを教えてくれるようお願いしたところ、仕事を手伝って貰うという条件に快諾。師匠・久遠久美の教えのもと、こと葉は千華の結婚式で素晴らしいスピーチを披露。それがキッカケとなり、こと葉はスピーチライターという仕事に惹かれていくようになります。
そんなある日、厚志が亡き父の地盤を引き継いで神奈川県の選挙区から立候補することになり、こと葉は、選挙のスピーチライターを担当することになります。しかし、同じ選挙区に立候補した与党の議員のスピーチライターが厚志の勤めていた広告代理店のライバル会社の売れっ子コピーライター・ワダカマであることを知ります。敵対関係にありながらも刺激し合い惹かれ合う二人の関係、そして選挙当日。厚志は当選することが出来るのか、そしてその後のスピーチライターこと葉とその師匠・久遠久美、そしてライバル・ワダカマの運命は、、、。
※Wikipediaに詳しいあらすじ有り。
『本日は、お日柄もよく』から印象的な言葉と締めのスピーチ文
「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙が止まっている。二四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔上げている。三日後の君、歩き出している。」
『愛せよ。人生において、よきものはそれだけである』
本日は、お日柄もよく、心温かな人々に見守られ、ふたつの人生をひとつに重ねて、いまからふたりで歩んでいってください。たったひとつの、よきもののために」おめでとう。