内容紹介
日常生活の中で、仕事でもプライベートでも誰もがコミュニケーションをとっています。コミュニケーションを取ることにより、仕事のパフォーマンスが向上したり、相手の考えていることをよく知ることができます。
本書では1分で伝えるためのプレゼンでの話し方を中心として、聞き手に伝わる話し方を紹介しています。
コミュニケーションをするにあたっては、話し相手がいます。そしてわかりやすく説明するためには3段階の構造があります。プレゼン・会議・交渉などさまざまな場面で使えるアウトプット法の基本的な形や事例は、すぐに実践できるものばかりです。
自分の考えをうまく相手に説明できない人におすすめです。
題名 | 1分で話せ2【超実践編】 世界のトップが絶賛した即座に考えが“まとまる”“伝わる”すごい技術 |
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著者 | 伊藤羊一 |
出版社 | SBクリエイティブ株式会社 |
発行日 | 2021/03/28 |
ページ数 | 239ページ |
こんな人にオススメ
・コミュニケーション能力を伸ばしたい人
・ロジカルシンキングを鍛えたい人
・自分の意見をうまく伝えたい人
著者紹介
著者名 伊藤 羊一
東京大学経済学部卒業後、1990年に日本興業銀行に入行。
2003年プラス株式会社に入社し、ロジティクス等を担当後、マーケティング本部長、事業全般の統括を担当。2015年からはヤフー株式会社にて次世代リーダーの教育を行うYahoo!アカデミアの責任者を務める。その他、IBM Blue Hub、KDDI ムゲンラボ、MUFG Fintech アクセラレーター、学研アクセラレーター、森永アクセラレーター、Code Republicにてメンターやアドバイザーも務めている。
『1分で話せ2【超実践編】世界のトップが絶賛した即座に考えが“まとまる”伝わる”すごい技術』要約
「1分で話すためのピラミッド」会話の中での3つの順序
①「結論」
相手に話をする際、最初に「結論」あなたが一番伝えたい内容を持ってきます。
②「根拠」
そのあとに「3つの根拠」、なぜ、そんなことが言えるのか根拠を持ってきます。
③「具体例」
その次にそれぞれの具体例を話します。人は、具体的な話をすることではじめて理解することができるからです。
この3つを意識して、話すことで相手に自分が言いたいことを伝えることができます。
「考える」ことと「悩む」ことは違う
Aもいい、Bもいい。でも、Cもいいな。
こうした考えが頭をぐるぐる回って、無限ループにはまってしまうことがあります。これは「悩んでいる」状態です。
それに対して「考える」というのは結論を出す行為のことを言います。「Aがいいと思います。 なぜなら、○○だからです」というように、説明を凝縮することができます。
ロジックが完璧なのに伝わらない理由
伝えたいことが決まり、ロジックも整理されていて、データもしっかり用意されている。それなのに、相手に伝わらない。
「なぜ、伝わらないのか。どの説明が足りてないのか」、という問題において、相手にどんな話をしているのか。多くの場合伝わらないのは「イメージ」を持たせることができていないから伝えることができないことが原因です。
特に自分達のことを知らない人に説明する時、「自分達は何者で、どんなことをやっているのか」という説明がないことが多いです。
聞いている人からすれば、「この人たちはなぜここに立っているのか」を理解するという、話のとっかかり、前提が必要です。
次にどんな経緯でこの人達は話しているのか。この話の何がすごいのか、それを自分たちはどう解釈しているのか、これからどうしたいのか。これらを伝えることができていないから伝わらないのです。また、自分達が「これをすることでどういう結果が出るのか」を伝えます。
さらに、可能な限り例え話を入れながら説明することで相手がよりイメージしやすくなるため、より理解してもらえます。
実際に使える「ロジカルシンキング」
自分の中にある結論を最初に持ってきて、根拠と具体例を共有することで周りの人もその「結論」を見つけるプロセスに参加することができます。1週間かけて完成度の高いものを考えるよりも、短い期間で50%の段階に持ち寄り、チームで話し合いをすることでより良い結論を出せます。
議論の作法
意見が異なる際などに、お互いにとってより良い結論を出すための議論の作法は、以下の7段階になります。
1、テーマとゴールを確認する
2、ピラミッドを伝える
3、相手のピラミッドを理解する
4、共通点と相違点を探す
5、互いに歩み寄る
6、改めて結論を出す
7、決めたら従う
1、テーマとゴールを確認する
何をこれから話して、結論を出していくのか相手と確認し合う。
2、ピラミッドを伝える
結論、根拠、具体例を作る
3、相手のピラミッドを理解する
相手の結論、根拠、具体例を聞く
4、共通点と相違点を探す
両方のピラミッドの共通点と相違点を探す
どういったことは、賛成でどこの意見が違うのかを明確にする
5、互いに歩み寄る
歩み寄れる内容をそれぞれ確認してみる。
考え方を少し変えてみることで、同じ意見を持つことができないかを考える
6、改めて結論を出す
双方の意見をもとに再度結論を出してみる
条件を提示することで双方合意のいく結論が出る可能性もある
7、決めたら従う
結論が決まったらそれに従って進めていく。
それでも、うまく行かなければもう一度みんなで仮説を持ってきて話し合う。
説得・提案・プレゼンのルール「右脳と左脳の両方を動かせ」
人は、ロジックだけの説明では動きません。
人は、感情が揺さぶられると、動きやすくなります。相手の左脳(ロジック)と右脳(感情)の両方を刺激することでやっと人は動きます。
つまり、左脳に対して論理的に説明し、右脳で相手の感情を揺さぶる話をすると相手を動かすことがで切るのです。
何かを説明するときの考え方「SDSを意識しろ」
①概要②詳しい説明③まとめの順に話す。
①概要
まず、自分がどう言ったものを説明したいのかを簡単に相手に伝える。
②詳しい説明
相手に伝わったところでより詳しい情報を説明する。
③まとめ
最後に結論を話す
この手順で話すことで、最終的に何を言いたかったのかが正確に伝わる説明ができます。
悩みに応じた説明のポイント
感覚的な説明でよくわからないと言われてしまう。
説明が感覚的でよくわからない。そんな時は、ロジックと感情の両方に訴えかける説明をすることが大切です。
例)「流行っているから。この企画をやりたいです!」
感覚的な説明でやる意味があるのか不安なケース
結論:この企画をやりたいです。
根拠1:流行っているから、消費者のニーズがあるから
根拠2:まだ市場開拓の余地があるから
根拠3:利益率が高いから
「流行っているから」というのは感覚的で、根拠がないため不安になります。根拠を補足するデータ(消費者調査、利益率)を添付して説明することで納得してもらえます。
自己紹介がうまくできない!
初めて会う人に自己紹介をする時、いつもありきたりな自己紹介になってしまう場合
自己紹介は、究極のプレゼンとされます。わずかな時間の中で第一印象が決まります。
自己紹介を、ほとんどの人は話半分でしか聞いていないことを前提に「一言で言うと〇〇」と相手の記憶に残るキーワードを伝えることが重要です。
実践ポイント
ビジネスでのコミュニケーションにおいて、3つの構造を作ることで簡単に説明することができます。
まず、3つ(結論、根拠、たとえ話)を組み立てることが重要です。
結論を告げて、なぜその結論になるのかの根拠を伝える。
事例も加えて理由を話すことで相手に簡単に伝えることができます。
結論と根拠を述べる時は、聞き手にとって意味がつながるように常に意識することがポイントです。声に出して読んでみたり、他の人にも聞いてもらうなどをして、意味がつながっているかを確認し修正することで伝わりやすくなります。
・今から自分は何を言いたいのか。
・なぜ、それが正しいと言えるのか。
・どういった事例があるのか。
この3つの構造を押さえて話すことで、自分が伝えたいことをわかりやすく、正しく相手に伝えることができます。
ぜひ、活用してみてください。
感想・書評・学んだこと
前書『1分で話せ」より具体的に実践を通して使える内容ばかりでした。「結論」「根拠」「実例」のロジカル構造と「根拠は3つ並べる」を意識して話すことで本を読む以前よりも自分の考えや意見を相手に伝えることが上手にできるようになりました。自分が身につけたばかりの知識を相手に伝える時、「え〜と」「あの」といった言葉をよく使っていたのですが、それらの改善方法も書かれており、大変参考になりました。
ぜひ、この本を読んで自分の話を相手にわかりやすく伝える能力を身につけていただきたいです!
最高の名言
情報が不完全なまま、結露運を出すために必要なのは、自分の「軸」です。
情話がかみ合わないときは、隠れた前提を確認する。
右脳と左脳の両方を動かす。