マインド・自己啓発

『アルケミストー夢を旅した少年』(パウロ・コエーリョ)あらすじ・要約・感想まとめ

内容紹介

羊飼いの少年サンチャゴが夢を追いかけて小さな町を飛び出し、錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れの中で、人生の知恵を学んでいく物語。

誰しもが、旅に出たいと願いながらも、また新しいスタートを切りたいと思いながらも、「お金が溜まってから」「その時が来たら」「まだ、必要なものがそろっていないから」と考え、行動にうつせないことがあります。

そうこうしているうちに時が経ち、言い訳をして行動しなかったことを後悔するのです。

本書では、そんな人々との出会いを通して、羊飼いの少年が人生の本当の目的を知っていく過程を描いています。

現代人は夢を叶えることを忘れがちです。

当たり前のように繰り返し過ぎ去る毎日。どこか虚しく晴れないなと思うかもしれません。

夢をあきらめずに夢を生きることがいかに大切かを教えてくれる、そして勇気を与えてくれる一冊です。

題名アルケミストー夢を旅した少年
著者パウロ・コエーリョ
出版社KADOKAWA
発行日1997年2月21日
ページ数208ページ
言語日本語(原題:ポルトガル語『O Alquimista』)

こんな人にオススメ

・旅に出たい、新しいスタートをしたいと願いながらも、なかなか行動に移せない人

・夢をあきらめたまま大人になってしまった人

・今の生活に違和感を感じながら、日々人生の答えを探している人

著者紹介

パウロ・コエーリョ

1947年ブラジルのリオデジャネイロの生まれ、小説家/作詞家として活躍。

70年代にロック歌手、ハウル・セイシャスの作詞を手がけたのち、世界を巡る旅に出て87年に『星の巡礼』で作家デビュー。

2作目『アルケミスト – 夢を旅した少年』がベストセラーになり、一躍作家として認められた。映画化した『ベロニカは死ぬことにした』も彼の原作。

2002年よりブラジル文学アカデミー会員。多くの名誉ある賞を受賞しており、その中にはフランスのレジオン・ドヌール勲章がある。2007年には国連ピース・メッセンジャーに任命された。

その他にも、グローバルな知名度を活かし貧困と闘い、ブラジル社会の恵まれない人々を助けてきた。ユネスコの「文化間の対話と精神的収束のための特別顧問(Special Counselor for Intercultural Dialogues and Spiritual Convergences)」を務め、多文化主義の擁護を訴えている。

『アルケミストー夢を旅した少年』要約

羊飼いの少年サンチャゴは夢で見た「宝物」のありかを探すために羊を手放し、住み慣れた土地から見知らぬ国へと旅に出ます。

「同じ夢を二度見た」ので、夢見のできるジプシーに占ってもらいます。夢を解釈してくれる老女に「おまえはエジプトのピラミッドに行かねばならない。(略)そこでおまえは宝物を見つけてお金持ちになるのさ。」と言われるところから物語は動き出します。

「錬金術師(アルケミスト)」に導かれ、様々な困難に襲われながらも、宝物を見つけようと前へ進みます。さまざまな出会いと別れの中で、夢をかなえる(「宝物」を発見する)には何をしなくてはならないか?を少年は学んでいきます。

・恐怖に負けてはいけない、先が見えない怖さに打ち勝つこと

諦めた夢を数えた方が多いという人もいるのではないでしょうか。夢を叶えていくためには「代価」が必要です。ここで代価とは、時間や労力のことを指します。

物語の中で少年は、こう言います。

小さい時から、もっと広い世界を知りたいと思っていた

この本を読む多くの人たちが、今いる環境に窮屈さを感じ、ここではないどこかへ行ってみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。

おまえが自分の内にすばらしい宝物を持っていて、そのことを他の人に話したとしても、めったに信じてもらえないものなのだよ

どんなに素敵で素晴らしい夢を描いたとしても、他人も同じようにその夢を素敵だと思ってくれることは少ないでしょう。

夢を否定されたり、馬鹿にされたりすることも少なくないと思います。

だからこそ、自信を無くし、夢が本当に叶うのか疑いたくなる夜も訪れるのです。

少年と登場人物との会話では、夢に対する不安や恐怖をこのように触れています。

もしわしの夢が実現してしまったら、これから生きていく理由が、なくなってしまうのではないかと怖いんだよ。(中略)わしのそばにいる人や目の前にいる人、その人たちと一緒に語り合い、祈るようすも想像した。でももし実現したら、それが自分をがっかりさせるんじゃないかと心配なんだ。だからわしは夢を見ている方が好きなのさ

何かを成し遂げたいと夢を見たとき、誰しもが失敗を恐れる心理が働きます。

自分が選んだ道が正解か不正解か、ハッキリ答えが出てしまうのが怖いのです。

だから夢は夢のままで終わらせてしまうのでしょう。そして後悔するのです。

後悔しないために。

先が見えなくとも、その先にある恐怖に打ち勝たなくてはいけません。

勇気こそ、大いなることばを理解するために最も重要な資質なのだ

勇気を振り絞って失敗を繰り返していくと、だんだん失敗することは悪いことばかりではないと気付きます。色々と気付きがあり、乗り越えて自信が付き、前に進むのが当たり前になってくるのです。

・自分の運命に従うとは?自分が本当に求めているものを知るということ

運命とは何でしょうか。

本書では、”起こることは全て、決められている人生を辿るのに必要なこと”として描かれています。少年との会話の中で、最初の老女に続く2人目の導き手である老人はこのように言います。

わしは必ず色々な形で現れるのだ。時には一つの解決法とか、良い考えとなって現れることもある。別の時には、危機一髪という時に、ものごとを起こりやすくしてあげることもある。もっと他のこともいろいろとしているが、ほとんどの場合、人はわしがやってあげたということに気がつかないのだよ。

神様は誰にでも行く道を用意していて下さるものだ。神様がおまえのために残してくれた前兆を、読んでゆくだけでいいのだ

夢を追い求める際には、運命を実現させようと働く力(前兆)が働きます。少年は数多くの困難を前兆を読むことによって解決していきます。そして、少年は気付くのです。

決心するということは、単に始まりにすぎないということだった。決心するということは、まるで、急流に飛び込んで、その時には夢にも思わなかった場所に連れてゆかれるようなものなのだ。

夢を追うと決心したら、実現しないといけないと考えていませんか?それは失敗を恐れるあまりの残念な考え方です。

決心するというのはそこが始まりであり、決心しなければ夢に向かって進むことはできないのです。

毎日が次の日と同じだということは、太陽が昇るというような、毎日起こっているすばらしいことに、気づかないからなのだ

私たちは、自分自身の運命に、前兆に気付くことが出来ているのでしょうか。

見逃していることが多いのかもしれません。

少年は、他人の様子を見て、感じることを忘れていません。主人公だけでなく、他の登場人物もそれぞれの役割を担って生きています。それぞれ選んだ自分の生き方をしているだけです。

私は過去にも未来にも生きていないからです。私は今だけにしか興味を持っていません。もし常に今に心を集中していれば、幸せになれます。(中略)人生は私たちにとってパーティーであり、お祭りでもあります。なぜなら、人生は、今私たちが生きているこの瞬間だからです

受け入れる現実によって、人はどのようにも変わっていくことができます。さまざまな立場になることで、様々な視点を得ることができるのです。この繰り返しで人は真の自分を見つけていくのです。

つまり、前兆に気付き今を生きるこの瞬間に向き合うこと・決心することで、本当に自分が求めていることがわかってくるのではないでしょうか。

・≪原点≫遠回りしたからこその気付き

旅の過程で、少年は「目的は何か」を問われる場面に何度も出会います。夢の意味を教えてもらうこと、エジプトのピラミッドへ向かうこと、羊飼いに戻ること、愛する女性の傍にいること、宝物を見つけること…次々に目的を見つめなおすタイミングが訪れます。その度に、自分の心と向き合い、自分が求めるものは何かを考えます。

少年が常に言われる言葉があります。

おまえの心に耳を傾けるのだ。心はすべてを知っている。それは大いなる魂から来て、いつか、そこへ戻ってゆくものだからだ

答えは、自分の心が知っています。

しかし、自分の中にある答えは当たり前過ぎて気付けないものです。

違う環境に行き、様々な人やモノや価値観に触れることで、初めて気付けるのです。

わからないなりに行動してみるからこそ、見えるものがあるのです。

少年は旅の中で、縁による不思議なめぐりあわせに出会います。羊飼として生きる選択をし、繰り返し同じ夢を見させ、王様に会うためにアフリカに近い町へ連れていき、クリスタル商人に会うために泥棒に会わせたのです。全ては繋がっていると最後には気付きます。

旅の過程の「点」と「点」が、いつしか繋がって「線」になる瞬間を噛み締めながら、少年は一歩ずつ前に進んでいくのです。

マクトゥーブ。(※アラビア語で「書かれている」という意味)

答えは、身近なところにありそうです。

実践ポイント

自分の夢って何だろうと迷ったり、やりたいことが見つからなかったり、夢なんて叶わないと諦めてしまったり。

自分自身の将来について考えた時にぶつかったことはありませんか?

自分自身と向き合う時間はとても苦しく不安を抱えるものです。

状況を変えたり、人生の目的を見出していきたいと思うのであれば、一番簡単なのは行動してみること。

まず「決めること」がスタートです。

「夢」という言葉は壮大であると同時に稚拙な印象を受けるかもしれません。子どもの頃と異なり、普段の生活でなかなか使わない言葉だからです。

しかし夢を目標に置き換えて考えてみてください。

一気に内容が現実味を帯びてくるかと思います。

私たちはやりたいことを諦めようとして、実際以上に問題を難しくしてしまう節があります。自分で自分の行動にブレーキをかけてしまっているのです。

どう生きるか、何をすべきか、わかっている人は少ないと思います。

まずは、自分がしたいことを自分と対峙してもう一度考えてみてください。

「これが前兆?」と気付くことがあるかもしれません。

自分の望みに対してもっと素直になってみてはいかがでしょうか。

感想・書評・学んだこと

「人生とは」「運命とは」「夢とは」…。

改めて、読み進めながら考えてしまいます。

私はこの本がとても好きで、ある意味バイブルのような存在です。

私たちも少年のように、様々な節目において人生の選択を迫られているのではないでしょうか。

これは、私たちが生きる上での大きなテーマであり、国を超えて共通する感覚だと思います。だからこそこの本は全世界で読まれているのではないでしょうか。

この本の内容を簡潔に言ってしまえば、同じ夢で繰り返し見た宝物を探しに旅に出る羊飼い・サンチャゴの冒険物語。たったそれだけの物語かもしれません。

しかし、単に夢を持つことが素晴らしいということだけを伝えるのではなく、絶望や困難、試練を描きつつも、求めれば与えられる希望があると伝えていると私は思います。

また、自分の現在地によって見え方がまったく異なってくる物語であることも、面白みの一つです。

安定を求め、周りに求められる生き方で生きようとしてしまうこと。

諦めることも仕方ない、それが普通だ、それが大人なのだと。

本当にそれでいいのか、後悔はないか、改めてそう問われた気がしてなりません。

私自身、自分の行動に自信がなくなったり、やりたいことがわからなくなってしまうことも多々あります。

ここ数年で様々なことに触れ、少しずつ非日常を体験したことで変わってきた部分もあり、今では夢に向かって軌道修正することが少しずつできるようになってきています。

しかし、ふとした時に、先のことが見えない不安や恐怖に陥ることもあります。

まさに旅の途中の少年と同じです。

進むと次の困難にぶつかり、その度に不安になるのです。

心に素直に従い、夢に触れた時、新たに発見があるのです。

今起きた困難は次のステップアップのための試練です。物語の中でも言っていますが、夢の実現には困難が付き物です。逆に言えば、夢は困難に意味を持たせることもできます。

何が起こったとしても「マクトゥーブ」。

全ての事柄に意味がある、と思っていたいものです。

最高の名言

おまえが何かを本当にやりたいと思う時は、その望みは宇宙の魂から生まれたからなのだ。それが地球におけるおまえの使命なのだよ。自分の運命を実現することは、人間の唯一の責任なのだ。おまえが何かを望むときには、宇宙全体が協力して、それをたすけてくれるのだ

やはり私は自分の運命に恥じない生き方をしたいなと思います。

今モヤモヤしていることがあるのは、それがあなたにとっての運命の「前兆」かもしれませんよ。

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