仕事術・スキルアップ

『夢をかなえるゾウ 1』(水野敬也)あらすじ・要約・感想・まとめ

内容紹介

お前なぁ、このままやと2000%成功でけへんで

ガネーシャから発せられる言葉に我々読者はハッとさせられます。

今回紹介するのはシリーズ累計発行部数460万部を突破し、その人気は本に留まるだけでなくドラマや舞台化に至る『夢をかなえるゾウ1』です。

関西弁を喋るゾウのような神様「ガネーシャ」が、夢をなくした平凡なサラリーマン「僕」のもとに現れます。ガネーシャは僕に人生を成功させるための課題を出します。

その課題とはガネーシャのかつての教え子である偉人たちが行ってきた実際の行動です。夢をかなえるための具体的な行動指標や人生の教訓がこの本には沢山書かれています。

登場人物の軽快な会話にクスっと笑い、時にはしんみり泣き、読んだ後には読者の胸をうつ1冊です。

題名夢をかなえるゾウ1
著者水野敬也
出版社飛鳥新社
発行日2007年8月29日
ページ数352ページ

こんな人におススメ

・今の自分を変えたいと思っているけど「どうせ変われない、変わらない」とあきらめてしまっている人

・「いつか変わらなければ」「何かを変えなければ」と思っている人

・人生のすべてを楽しみたいと思っている人

著者紹介

水野敬也

1976年11月26日 愛知県生まれ。

慶応義塾大学経済学部卒業。

2003年『ウケる技術(新潮社)』で作家デビュー。

代表著書:『夢をかなえるゾウ』シリーズ、『人生はニャンとかなる!』シリーズ

映像作品では『温厚な上司の怒らせ方』や『イン・ザ・ヒーロー』に関わり、多岐にわたる活動を行っている。

『夢をかなえるゾウ1』要約

2000%成功しない要素

ガネーシャは最初の課題「靴を磨く」を僕に与えます。しかし課題を受け取った僕は

「やっぱり靴をみがいたからといって成功するとは思えないんです。(中略)もっと、他の課題はないですかね。」

と反論します。そこでガネーシャは言います。

「自分な、今まで、自分なりに考えて生きてきて、それで結果出せへんから、こういう状況になってるんとちゃうの?」

「成功しないための一番重要な要素はな『人の言うことを聞かない』や。」

今の状況は過去の自分が選択して行ってきた結果です。

成功したいのであれば、成功者の言うことをまず素直にやってみましょう。

またガネーシャはイチローを例にして、

「仕事に対するまっすぐな姿勢があるから、メジャーでずっとトップ取れてたんやで」

と課題の裏にある人生の教訓についても伝えています。

ガネーシャの課題一覧

ガネーシャが僕に出す課題は全部で29個あります。

詳細はコチラ

ガネーシャの課題一覧】
・靴を磨く
・コンビニでお釣りを募金する
・食事を腹八分におさえる
・人が欲しがっているものを先取りする
・会った人を笑わせる
・トイレ掃除をする
・まっすぐ帰宅する
・その日頑張れた自分をホメる
・一日何かをやめてみる
・決めたことを続けるための環境を作る
・毎朝、全身鏡を見て身なりを整える
・自分が一番得意なことを人に聞く
・自分の苦手なことを人に聞く
・夢を楽しく想像する
・運が良いと口に出して言う
・ただでもらう
・明日の準備をする
・身近にいる一番大事な人を喜ばせる
・誰か一人のいいところを見つけてホメる
・人の長所を盗む
・求人情報を見る
・お参りに行く
・人気店に入り、人気の理由を観察する
・プレゼントをして驚かせる
・やらずに後悔していることを今日から始める
・サービスとして夢を語る
・人の成功をサポートする
・応募する
・毎日感謝する

ガネーシャの課題から学んだこと3選

人を喜ばせることを楽しむ

「お金いうんはな、人を喜ばせて、幸せにした分だけもらうもんや。」

「偉大な仕事する人間はな、マジで世の中よくしたいて純粋に思て生きてんねん。お金だけやない。人から愛されたり、幸せで満たされたり、もういっぱいええもんがながれてくんねん」

そしてガネーシャの課題を通して「僕」は気づきます。

「人を喜ばせることが何より楽しいと思えるように自分自身を変化させていく。また、自分が好きなこと、楽しいと思えることで人を喜ばせるようにする。それが成功したり有名になったりお金持ちになったりするための、回り道のように見えるけど一番の近道なんだ」

喜んでもらう対価としてお金や人、幸せが集まってくるとガネーシャは説きます。

すでにお金持ちになっている人、有名な人、成功している人の根底には「人を喜ばせる」ことを楽しむ心があるのです。

かなう夢の語り方

「たとえばな、『お金持ちになりたい』ちゅうだけの夢やったら自分のための夢に聞こえるやろ。それ人からしたら『勝手にどうぞ』ってなるやん。でもな、『お金持ちになれば、自分の周りの人、多くの人にチャンスを作ることができる。だから自分はお金持ちになりたい』そういう夢やったら、他の人が聞いてて楽しくなる夢なんちゃうかな」

ガネーシャは自分の夢を誰に話しても恥ずかしくない夢に育てて欲しいと願います。それは、独り善がりの夢ではなく、多くの人が実現することを望む夢だと言います。みんなが応援してくれる夢こそかなえることができるのです。

ガネーシャはかなう夢にするコツを伝えています。

「自分の夢を、もっとでっかくでっかくしてったら、最終的にはみんなを幸せにする夢になるはずなんや。」

自分の夢を膨らませて、社会をどうしたいのか、その答えを考えてみましょう。

変化する時に必要なもの

「もし自分が変われるとしたら、行動して、経験した時や。」

成功の秘訣はすでに多くのビジネス書に書かれているのに、ほとんどの人が成功していません。

その理由は「実行に移さない」ためです。

「僕」はガネーシャの課題を通して気づけたのです。

「ほんのささいな行動でも、動けば必ず何か見つかる」

自分を変えるには、自分の決断と自分の行動が必要なのです。

世界を心ゆくまで楽しむ

「成功だけが人生やないし、理想の自分あきらめるのも人生やない。ぎょうさん笑うて、バカみたいに泣いて、死ぬほど幸福な日も、笑えるくらい不幸な日も、世界を閉じたくなるようなつらい日も、涙が出るような美しい景色も、全部全部、自分らが味わえるために、この世界創ったんやからな」

最後まで読み進めていく中で、夢をかなえること、成功することが全てだと感じてしまう瞬間があるかもしれません。

しかし、ガネーシャが言うように成功することだけが全てではありません。その過程で嬉しいこともあれば辛いこともあります。

”起きていること全てに意味がある”と、夢をかなえていく道のりを楽しむのが人生の醍醐味なのです。

実践ポイント/アクションプラン

人を喜ばせる

家族や友人に「ありがとう」と感謝を伝える。

本書の中では例えば「人が欲しがっているものを先取りする」ことが書かれています。

しかし、自分自身に置き換えると「欲しいものやかけて欲しい言葉が思いつかない」と考えるあまり、行動に移せないような気がしました。

そこで、人を喜ばせようと考えた時に1番に思い浮かんだのが感謝を伝えることでした。

感謝を伝えることは相手にとっても嬉しいことだと思います。

照れくさいですが、まずは「ありがとう」と一言伝えたいです。

感想・書評・学んだこと

「お金持ちになりたい」「有名になりたい」「今の自分にモヤモヤする」とどこか自分を変えたいと思う瞬間は誰にでも訪れると思います。そんな時に背中をそっと押してくれる1冊となっています。

読者が平凡なサラリーマン「僕」に重なるからこそ、ガネーシャの言葉が時には辛辣に、時には心が温まり、そして胸をうつように響いてきます。

私自身、自分の考え方が変わったり、状況が変化したと実感したことがあります。

大きな決断や行動をしたわけではなく、目の前のことをひたすらやっていたことを思い出しました。振り返ると、まさに「地味な作業の積み重ね」でした。行動しないと何も変わらないと「行動することの大切さ」を改めて身に染みて感じています。

行動していく中で辛いことやあきらめてしまいたくなることは沢山あります。そんな時に本書の「(中略)全部全部、自分らが味わえるために、この世界創ったんやからな」を読んで「今を楽しんでない」とふと我に返りました。

夢をかなえること、成功することが全てじゃない。夢に向かって一生懸命やっている道のり、生きているからこそ感じられる喜怒哀楽、それらの全てを楽しむことが大切だと思います。

名言

「一つだけ、絶対にあきらめたらあかんことがある」

「『自分』や。自分には何か才能がある、自分にしかできない仕事がある、そのことに関してはあきらめたらあかん。見つかるまでそれを探し続けなあかん。自分自身に対してはあきらめたらあかん」

自分の才能が誰にも認められなかったとき、自分に向いてない分野だったとき、ガネーシャは「あきらめてもええんや」と言います。

しかし唯一あきらめてはいけないこと、それは「自分」だと。

自分の可能性を信じて、何かひとつでも行動を起こしてみませんか?

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