マインド・自己啓発

『 チーズはどこへ消えた? 』( スペンサー・ジョンソン )あらすじ・要約・感想まとめ

内容紹介

1998年にアメリカで原作が出版されて以降、累計発行部数は国内で400万部、全世界で2800万部を突破しているベストセラー。

童話調の語り口で、「変化」に対する心構えや行動のヒントを得ることができます。

迷路でチーズを探しまわる2匹のネズミたちと2人の小人たち。やっとの思いで好みのチーズを大量に発見しましたが、ある日突然チーズがなくなってしまいました。

2匹のネズミたちは新しいチーズを探しに走りだしますが、2人の小人たちはいつかチーズが戻ってくると期待して留まっていました。

やがて小人の1人が新しいチーズを探しに出ることを決め旅立ちます。

80ページと短い本のため、読書が苦手な人でも読みやすい1冊です。

題名チーズはどこへ消えた?
著者スペンサー・ジョンソン
訳者門田美鈴
出版社株式会社扶桑社
発行日2014年5月25日
2020年1月30日改訂
ページ数80ページ
言語日本語(原題:英語『Who Moved My Cheese?』)

こんな人にオススメ

・自分を変えたい、何か行動を起こさないといけないとわかっているのに、あと1歩踏み出せない人

・安定思考である人、安定思考の人が周りにいる人

・読書は苦手だけど、本を読みたい気持ちはある人

著者紹介

スペンサー・ジョンソン

1938年11月24日 アメリカ サウスダコタ州ウォータータウン出身。

心理学者であり、心臓ペースメーカーの開発に携わった医師。

のちに作家へ転身し、多くの著書を発表する。

2017年7月3日、78歳の時にすい臓がんの合併症のためサンディエゴで死去。

遺作は『チーズはどこへ消えた?』の続編『迷路の外には何がある?』

代表著書:『チーズはどこへ消えた?』『1分間マネジャー』『頂きはどこにある?』

登場人物

2匹のネズミ:

・スニッフ:いち早く変化に気づく。

・スカリー:すぐに行動を起こす。

2人の小人:

・ヘム:変化をみとめない。慣れ親しんだテリトリーにいようとする。

・ホー:うまく変化の波に乗ろうとする。

『チーズはどこへ消えた?』要約

あらすじ

ある遠い国に住む2匹のネズミ(スニッフとスカリー)と2人の小人(ヘムとホー)。彼らは迷路でチーズを探しまわっていました。

結果、チーズステーションCという場所で好みのチーズを発見します。

小人たちは満足して、毎日舌鼓をうちチーズを食べるだけ。一方、ネズミたちは迷路をまだまだ走り回っています。

そんなある日突然チーズがなくなってしまったのです。

ネズミたちは新しいチーズを探しに走りだし、早々にチーズステーションNへたどりつきます。小人たちはいつかチーズが戻ってくると期待してチーズステーションCに留まり、状況は変わりません。

やがて小人のホーが新しいチーズを探しに旅立ちますが…。

チーズと迷路が表しているもの

「チーズ」とは私たちが人生で求めるもの、自分たちに幸せをもたらすものを表します。

例えば、仕事、家族や恋人、お金、大きな家、自由、健康、人に認められること、心の平安などです。

「迷路」とはチーズを追い求める場所を表しています。

例えば会社や地域社会、家庭などです。

全ては常に変化している

チーズステーションCにあったチーズは本当に突然消えたのでしょうか。

チーズはどんどん少なくなり、残りも次第に古びておいしくなくなっていた。

チーズは一夜にしてなくなったのではなく、徐々に減っていたとわかります。

ホーはチーズが消えたあとに気づいていますが、ネズミのヘンリーとスニッフは早々から気づいていました。

全ての物事は、常に少しずつ変化しているのです。

恐怖を乗り越える

ホーはチーズステーションCから離れてチーズを探すことをヘムに提案します。一方ヘムに「ほかのところは危険だ」といわれてしまい、チーズステーションCに留まります。

ある日ホーは「繰り返し同じことしかしないでおいて、事態が好転しないのを不思議がるなんて。ほんとにどうかしている」と自分の愚かさをあざ笑うようになりました。

そして、彼がとった行動は1人でチーズステーションCを出て迷路へ出発することでした。

ホーは気づきます。

迷路に入っても新しいチーズを見つからないだろうと思いこみ、恐ろしくて身動きがとれず、ダメになっていたのだと。

しかしそんなホーをかりたてたのも恐怖でした。

恐怖が役立つこともある。このままでいたら事態はますます悪化するという恐怖にかられたら、いやでも行動を起こすだろう。

ホーはチーズステーションCを出てゆっくりと見知らぬ地域に進んでいきます。

その一歩はホーにとって状況を好転させるものでした。

走りまわりながら

新しい方向に踏み出したことで解放されたのだ。

恐怖がなくなると、想像以上に楽しくなるのがわかる。

と元気が出て力がわいてきたのです。

変化に気づく

ホーは迷路を走りまわりながら今までのことを振り返ります。

何が起きているのか注意して見ていたら、変化に備えていたら、あんなに驚くことはなかっただろう。

いつ変化が起きるか本能的に感じ取り、それに適応する準備をするのだ。

チーズが減っていることに気づいていれば、チーズ・ステーションCをもっと早く出て新しいチーズを見つけに探しに出ていたと、時間を浪費していたことを後悔します。

変化に適応する

明るさを取り戻したホーは、いっそう力強いスピードで迷路を進んでいきます。

そしてついにチーズステーションNとネズミのスニッフとスカリーを見つけたのです。

ホーはスニッフとスカリーから次のことを学びます。

状況が変わってチーズがどこかへ消えてしまうと、自分たちも変わってチーズを探しに出かけたのだ。

つまり

物事を簡潔にとらえ、柔軟な態度で、すばやく動くこと。問題を複雑にしすぎないこと。恐ろしいことばかり考えて我を失ってはいけない。小さな変化に気づくこと。そうすれば、やがて訪れる大きな変化にうまく備えることができる。変化に早く適応すること。遅れれば、適応できなくなるかもしれない。最大の障害は自分自身の中にある。自分がかわらなければ好転しない。

ということでした。

実践ポイント

本書は3つの部分で構成されています。

本編の物語の前後は、かつてのクラスメートたちがディスカッションをする場面となっています。

同じように

・自分がどの登場人物に当てはまるか

・自分の生活に起きた変化をどう受け止めているか

・読み終わったあとに自分の仕事や生活にどう活かすか

をアウトプットしてみましょう。

読む時期や周りの環境次第で感想が変わると思います。繰り返し読み、その都度アウトプットすることでその変化も楽しめると思います。

感想・書評・学んだこと

この本は童話調で80ページと短くまとまっています。早い人で1時間程度で読み終えることができます。読書が苦手な人にもおススメしたい1冊となりました。

本書の中で伝えたいことは「変化は常に起こっているものであり、変化に適応していくことの大切さ」だと思います。

スニッフとスカリーはチーズが徐々に減っている変化に気づき、すぐに迷路から出ました。ヘムは時間を浪費しましたが、ついに迷路へ出ると決心し行動をしました。その先に彼らはチーズステーションCよりも贅沢なチーズステーションNをみつけたのです。

もっとも良くないのは、ホーのように変化が起きていてもそのまま現状に留まることです。

本書ではホーの最後がどうなったのかは書いていません。果たしてチーズ・ステーションNにはたどりつけたのでしょうか。もしたどりつけたとしたら、それはヘムがたどり着いた時よりもうんと遅いと予想されます。

現状維持は衰退のはじまりと聞きますが、頭では分かっているのにホーのように変化に適応できない、行動にうつせない人は多いと思います。

過去の私はまるでホーのようでした。

例えば、転職をする際に「安定した給料をもらえる職場を辞めるのはもったいない」と迷った時期が長く続いたのです。

自分のやりたい仕事をしたいと自分の気持ちが変化していたにも関わらず、何も行動していませんでした。その結果、モヤモヤした気持ちだけが残りました。

しかし、ヘムのように「求人サイトへ登録する」という一歩を踏み出したことで、現在、さらに自分のやりたいことができて楽しく働けているのです。

ヘムにとっての浪費していた時間というのは、自分にとって行動することの大切さがわかるのに必要な時間でした。変化に適応することの大切さがわかった今、これからはネズミたちのように変化に早く気づき、適応して行動を起こしたいと思います。

最後に

あなたにとってのチーズとは何でしょう。

そのチーズを見つけるため、そして一度見つけたチーズにとらわれ過ぎることなく、より良い人生に向かって、一歩を踏み出してみませんか。

最高の名言

・事態は変化しているんだよ、ヘム。われわれも変わって、違ったやり方をしなけりゃならないんじゃないか

・人生は進んでいく。ぼくらも進まなくてはならない。変わらなければ破滅することになる。

自分を変えたい、変わらないといけないと分かっているのにあと1歩踏み出せないときに読みたい言葉です。

・恐怖がなくなると、想像以上に楽しくなるのがわかる。

現状に少しでも不安、不満があるのなら、恐怖に打ち勝つ先に、素晴らしい毎日が待っているかもしれません。

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