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『学びを結果に変える アウトプット大全』(樺沢紫苑)あらすじ・要約・感想まとめ

内容紹介

今や誰もがYouTube、Twitter、ブログといった数多くの媒体で、情報発信するのが当たり前になりつつあります。

そんな中「アウトプットが苦手。」「どう発信したらいいかわからない。」と悩むこともあるのではないでしょうか。

本書では精神科医である著者が、脳科学の知見を元に、アウトプットの効果的な手法を分かりやすく解説しています。

また、著者は「アウトプットして初めて現実世界を変えることができる。」といいます。

情報を取り込むだけでは何も変わらず、行動して初めて現実が変わります。

自己成長に繋がるアウトプット術を学べるため、本書を読めばアウトプットの苦手意識が薄れ、どんどん行動できるようになるかもしれません。

有益なアウトプット術を得て、人生を好転させていきましょう。

題名学びを結果に変える アウトプット大全
著者樺沢紫苑
出版社サンクチュアリ出版
発行日2018年8月3日
ページ数2954ページ(Kindle版)

こんな人にオススメ

・アウトプットが苦手な方

・自己成長したい方

・人生を変えたい方

著者紹介

樺沢紫苑

精神科医、作家、映画評論家、YouTuber。北海道札幌市出身。札幌医科大学医学部出身。

2004年、アメリカ合衆国イリノイ州にあるイリノイ大学に3年間留学。

帰国後、樺沢心理学研究所を設立。

脳科学、心理学、精神医学の知識をYouTubeや各種SNS、メールマガジンなどでわかりやすく発信している。

また、これまで著書は30冊以上。

主な著書に『読んだら忘れない読書術』『学びを結果に変える アウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』などがある。

『読んだら忘れない記憶術』は累計15万部のベストセラーを記録。

『学びを結果に変える アウトプット大全』は2021年度年間ビジネス書ランキング第2位を記録した。

『学びを結果に変える アウトプット大全』要約

・できる人ほどアウトプットしている!アウトプットの基本法則

本書では、アウトプットの重要性と、自己成長に繋がる具体的なアウトプット法が書かれています。

著者はインプットは「脳内世界だけの変化」であり、アウトプットは「現実世界が変化すること」だとします。

脳の仕組み上、本を沢山読んだり、セミナーを受講したり、インプットをいくら積み重ねても、アウトプットの方法を間違えると自己成長に繋がらないのです。

そして精神科医であり、毎月20冊以上の本を読み、これまで30冊以上の著書を執筆してきた著者は

断言しましょう、圧倒的に結果を出し続けている人は決まって、インプットよりアウトプットを重視しています。

といいます。

著者自身、ある時いくらインプットしても、ちっとも成長していないことに気付いたそうです。

それ以来、意識的にアウトプットを強化するようになったといいます。

これには脳の仕組みが大きく関わっています。

・自己成長の螺旋階段の法則

知識を実際に使うことで、脳は「重要な情報」と捉え「長期記憶」として保存されます。

集めた情報を脳内に保存するだけでは、実際にその情報を生かす頃には思い出せなくなっていることが多いのです。

実際に、著者が170万部のベストセラー「嫌われる勇気」の内容を説明してもらう実験を30人に行いました。

結果、的確に答えられたのはわずか3人でした。

約9割の人は読書をしたり、講義を受けたりしても記憶に定着せず、わかったつもりになっているだけの「自己満足」で終わってしまうのです。

自己満足で終わらず、自己成長に繋げることができるのがアウトプットです。

そして

自己成長はアウトプットの量に比例するのです。

と著者はいいます。

しかし多くの人はインプット過剰、アウトプット不足に陥っており、それこそが勉強しているのに成長しない最大の要因だとします。

著者はインプットとアウトプットの反復こそ「知的生産活動の軸」といい、インプット:アウトプットの割合の黄金比を3:7だとします。

これを「自己成長の螺旋階段の法則」と名付けます。

これに関連した興味深い研究がコロンビア大学で行われました。

小学校3年生から中学2年生までの子供達100人を対象に、「紳士録」(人名図鑑)に書かれた人物プロフィールを覚えて暗唱するように指示しました。

制限時間は9分。

そのうち「覚える時間」のインプット時間と「練習する時間」のアウトプット時間の割合はグループごとに異なりました。

最も高い成績を出したのは、約60%をアウトプットに費やしたグループで、年長の生徒になると、約70%の時間をアウトプットに費やしたグループが高得点でした。

3割から4割をインプット、残りの6割から7割をアウトプットに費やすことで、高得点を得られる結果に繋がったのです。

・効果的なフィードバック4つの方法

実はアウトプットしたあと、次のインプットの前に絶対に必要なプロセスがあります。それが「フィードバック」です。

と著者はいいます。

フィードバックとは

アウトプットによって得られた結果を評価し、その結果を考慮して、次のインプットに修正を加えるという作業です。見直し、反省、改善、方向修正、微調整、原因究明

です。

フィードバックがないと、反省点が解らず同じことの堂々巡りになってしまいます。

上手くいった点、失敗した点、改善点を洗い出すことで、インプットするのに必要な情報もより重要なものへと変化します。

著者は以下の4つの効果的なフィードバックの方法をあげています。

1.短所克服と長所伸展

2.知識を広げる、知識を深める

3.なぜ?を解決する

4.人に教えてもらう

自己成長には2つの方向性があり、苦手を克服するか、得意分野を伸ばすかのどちらかしかないとします。

1の短所克服と長所伸展の一例をあげると次のようなことが挙げられます。

・短所克服

本を読んで理解できなかった内容をもう1度読み返したり、別の本で調べるのが苦手を克服すること。

・長所伸展

「面白い」と感じたり、「役に立った」と感じた点を実際にやってみること。

また、知識を「広げたい」のか「深めたい」のか、自分の意識がどちらに向いているのか意識するだけで、次に何をすべきか見えてきます。

これらのフィードバックを経てインプットすることで、圧倒的な結果が出せる自己成長に繋がります。

・ポジティブな言葉はネガティブな言葉の3倍以上話すべき?

アウトプットをあまりしたことがない初心者の人や、アウトプットが苦手な人におすすめなのが「話すこと」です。

脳内の情報や自身の考え、想いを言語化して誰かに話すことで、脳の活性化、記憶の増強、定着に大きく貢献すると著者はいいます。

最近見た映画や、晩御飯で食べたものなどの「感想を誰かに話す」ことからアウトプットをスタートすると良いとします。

また誰かに話す際、「ポジティブな言葉」と「ネガティブな言葉」のバランスも重要です。

ポジティブな言葉とネガティブな言葉のバランスを変えるだけで、仕事も人生も結婚生活もすべてうまくいくことが、ポジティブ心理学の研究で判明しています。

と著者はいいます。

良好な人間関係の維持や、仕事で成功するためには、ポジティブな言葉はネガティブな言葉の3倍以上も必要なのです。

著者は

「アウトプットしよう!」といった場合、ネガティブなアウトプットをしない。ポジティブなアウトプットを増やさない限り、成功や幸せにはつながらないのです。

といいます。

・書くこと

アウトプットの基本は「書くこと」「話すこと」です。

しかし、話すよりも書くことの方が、圧倒的に記憶に残り自己成長を促すとします。

それは書くことにより、脳の「脳幹網様体賦活系(RAS、Reticular Activating System)」を刺激するためです。

RASは

わかりやすくいえば、東海道新幹線、東北新幹線、上越新幹線の始発駅である「東京駅」のようなところ

であり、別名「注意の司令塔」と呼ばれています。

最近はタブレットやスマートフォン、パソコンなど「タイピング」で入力する人も増えていますが、「手書き」が特に脳の活性化、記憶の定着には効果的とされます。

RASは重要でない情報とそうでない情報を振り分ける「注意のフィルター」の機能でもあります。

そのため、重要だと感じたことや記憶に残したいことほど「手書き」した方が良いとします。

著者は

書いて、書いて、書きまくる。書くほどにRASが活性化し、脳全体が活性化していく。これが「書く」アウトプットの脳科学的な効果です。

といいます。

・自己成長に最も効果のあるアウトプットは〇〇!

著者は本書で80個のアウトプット法を記していますが、中でも最も効果が高いのが「教える」ことです。

アメリカ国立訓練研究所の研究で、学習定着率を表す7段階のピラミッド「ラーニング・ピラミッド(Learning Pyramid)が導き出され、その最上位に「講義」「人に教えること」があります。

人に教えることを前提に学習することで、記憶力が大幅アップし、学習効果が上がるのです。

教えるためには自身が内容をしっかり理解していなくてはなりません。

そのため教える際に、自身の理解度や不十分な点が明確になります。

つまり「教える」ことはアウトプット、フィードバック、インプットの自己成長3ステップを網羅した最も効果のあるアウトプット術、自己成長術といえるのです。

実践ポイント

・まず始めること

やる気が出るまで何も始めないのではなく、「とりあえず始めること」が大切だと著者は言います。作業を始めるとだんだんとやる気が出てくることを「作業興奮」と言います。

脳に「側坐核」という部位があり、この神経細胞が活性化することで海馬と前頭前野に信号が送られ、「やる気」が出るのです。

そのやる気が出るまでの必要な時間は「5分」です。

「5分間」まずはやってみましょう。

・楽しむこと

「楽しい」と記憶力とモチベーションがアップします。

集中力、モチベーション、学習能力を高める効果があり、幸福物質でもある「ドーパミン」が「楽しい」と感じることで出るのです。

アウトプットする際、楽しむことを意識することで、より良いアウトプット、自己成長に繋がるはずです。

感想・書評・学んだこと

本書を読むまで、アウトプットが私自身とても苦手でした。

しかし本書を読むとアウトプットしたいという気持ちが大きくなり、書かれていることを少しずつ実践することで、アウトプットに対する苦手意識が薄れていきました。

手で書くことが学習効率をあげることや、インプットとアウトプットの黄金比率が3:7というのがとても印象的でした。

これからはインプットよりもアウトプット(行動すること)を意識していこうと思います。

最高の名言

私の人生で失敗したことは一度もありません。「失敗したことがないなんて嘘だ」と思うかもしれませんが、実際に「失敗した」と後悔することはありません。何より、「今生きている」ということが、大きな失敗をしていない証拠です。「ゲームオーバー」ではない。今もゲームは継続中なのです。

この世の中に「失敗」なんか存在しません。「うまくいかないこと」「不本意な結果」は「失敗」ではなく、すべて「エラー」なのです。

人生をゲームと捉え、命ある限り失敗は次のステージに進むためのエラーにすぎないという考え方に、もっと色々なことに挑戦しようという勇気をもらえました。

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