内容紹介
いまあなたは、お金の将来についてどれくらい真剣に向き合っていますか?
日本が抱えるお金の問題はすでに見て見ぬフリが出来ないものとなっています。これからの時代、自分の未来は自分で守っていかなければなりません。時代は変化するからこそ、自分自身がお金について真剣に考え、自立に向かっていく必要があります。
この本では元サラリーマン出身の企業家の2人のカリスマが、日本のお金の問題を紐解きながら、お金に対するマインドブロックを外していきます。
不透明かつ不安定な世の中を切り抜けていくための心得と考え方を提示する本です。
題名 | トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」 |
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著者 | 俣野 成敏、中村将人 |
出版社 | 日本経済新聞出版社 |
発行日 | 2015年11月20日 |
ページ数 | 237ページ |
こんな人にオススメ
・お金について知識を増やし、自分でお金をコントロールできるようになりたい人
・お金を《稼ぐ事/貯める事/使う事/増やす事/頂く事》にマインドブロックがある人
・日本の経済について疑問を持ち、働き方やお金について再考したい人
著者紹介
俣野成敏
ビジネス書著者であり、投資家、ビジネスオーナー。
リストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起し、年商14億円の企業に育てる。2012年に独立し、フランチャイズ複数店舗のビジネスオーナーや投資家として活動。
これからの時代には副業やお金の知識向上が不可欠と実感し、サラリーマン以外の本業をつくるための副業オンラインアカデミー『The Second Phase』を創設。
自著『プロフェッショナルサラリーマン』が12万部、共著『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが13万部を超えるベストセラー。
中村将人
1971年静岡生まれ。起業家プロデューサー、経営コンサルタント、著者、株式会社スカイオフィス代表取締役など様々な肩書を持つ。
大学卒業後にオフィス機器の販売で有名なベンチャー企業の飛込み営業に挑戦し、26歳で年収1000万円を突破、28歳で最年少で本社の営業部長に抜擢。独立後は、僅か3年で上場準備段階まで会社を急成長させるも、景気悪化で社員40名全員が退社。44億円の負債を抱えるも3年で復活を果たす。
2014年2月、お金に困らない自由な人生を手に入れるための実践的な手法を教える学校『 中村将人FMS(Financial Management School ) 』を開校。
著書には『今日が「最後の1日」だとしたら、今の仕事で良かったですか?(経済界)』『人生を「貧しくしない」ために! 今スグやっておく25のリスト(すばる舎) 』などがある。
『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』要約
・あなたの稼ぎは「残りカス」!?
「自分の払っている税金を意識しているか?」
著者は、まずこの疑問を投げかけます。
所得税は、所得の額によって7段階に分けられます。一番低い額の人で、5%。そして、最高額の人では45% が税金として徴収されます。さらに、住民税は一律10%。社会保険料は目まぐるしく変化していますが、会社が普段する社会保険料は約15%。そして社員が負担する社会保険料は約14%となっています。
税金は、国民の義務として切っても切り離せない存在であり、国が成り立つ上で必要不可欠です。しかし、今の日本の実情は、所得の半分ほどを税金で持っていかれ、所得が増えれば増えるほど「税金は増える」という仕組みとなっています。
今一度、ご自身の給与明細を見直してみてください。
あなたの「本当の給料」は一体いくらでしょうか?なぜ、国にこんなに搾取されているのでしょうか?
国の債務増加,少子高齢化,非正規雇用問題。これらの問題に触れてこなかったツケが税金としてのし掛かって来ているのです。
自分の未来は自分自身でしか守れません。
2人のカリスマは、さらにお金の歴史の変化についても言及しています。
歴史を振り返ると多くの国が経済破綻を迎えています。いつ破綻するかわからない自国の通貨は信用できない、というところで注目され始めたのが「仮想通貨」です。仮想通貨の普及によって、仮想通貨も「信用媒体」となり、今では大きな可能性を秘めています。反面、マスコミが危険性をとりあげます。そのため、危険性だけに目を向けてしまう人がいるのが現状です。
風評に惑わされず、世の中で起きている現実を受け止め、国も業界も交えて歴史の波に乗らなければいけません。
変化していかなければ困難に立ち向かっていけないこと、明るい未来を手に入れられないことを第1章では伝えています。
・最強の節税対策は「個人」ではなく「法人」!
せっかく稼いだお金が、みすみす国の借金返済のために吸い上げられる。そうならないためには、「節税」の意識を持つことが大切です。
つまり、これまで個人の収入にかかっていた税金を、「自分の会社の稼ぎ」に振り返るということ。著者が提示する“最強の”節税対策は「会社を持つ」ということです。
サラリーマンが個人でモノを買う場合、すべて手取りのお金から賄います。それは、すでに税金を引かれたあとの残ったお金から、ということ。この“順番”を、変えるのです。先に自分で何にどう使うのかという方針をち、税金対策をした上で所得を得る。その過程で「経費」としてモノを買う。自分の手取りのお金でモノを買うのではなく、自分の(つくった)会社に買ってもらうのです。この仕組みこそが、最強の節税対策です。
法人の「出費」は、税金控除の対象となります。
しかし、サラリーマンなのに会社なんて作れるわけない!そう思ってしまう理由を、2人のカリスマはこう言っています。
実は一番大きなハードルといえるモノがまだあります。それは、「常識」。つまり、自分自身の思い込みです。「サラリーマンのくせに、会社を立ち上げるなんて・・・・・」という、会社に対する罪悪感です。それは本当は、まったく気にする必要のないことなのですが。このメンタルブロックがもっとも厄介なのです。
会社を興すと聞くと大変なイメージがあるかもしれませんが、実際、行動に移せない理由は「自分の中にあった」ということです。
また、著者は法人のあるなしに関わらず、節税という考え方は重要と伝えています。
一生懸命働いたお金や親が遺してくれた資産を勿体無く減らさないためにも、この考え方は留めておきたいことです。
・突っ込むなら片足でなく両足をズッポリ!師匠のすべてを受け入れろ!
サラリーマンだけ続けていても、給料が上がるわけではない。いつまでも残りカスである手取りでやりくりしなければならない。
では、サラリーマンは我慢するしかないのでしょうか?
行き先不安な生活から脱却し、新しい自分になりたいと考えているならば、今の日常で聞くことができない「新しい話」を仕入れることが大事と2人のカリスマは指摘します。
「相手から、すべてを吸収するつもりで臨む」
ちょっとずつ掻い摘んで学んでも足りません。自分が理解できるところだけ摘んでも同じです。
「やれ」といわれたことは、「ホントかよ・・・・・」と思いながらも、全部やります。「ホントかよ・・・・・」と思う気持ちは、あってもいいのです。なぜなら、自分と違う価値観を教えてもらっているのですから。そこに違和感が生じることは、ある意味「正しい」のです。
スキルの習得のためには、「依存」はせずに、「盲信」する。片足だけでなく、両足浸かるくらいすべてを受け入れる。そして、新しい思考を柔軟に取り入れ、古い常識を打ち破ることが必要なのです。
・お金を生み出すテクニック!学歴よりも経験知!
高い授業料を払って歯科大学を出て歯科医になったのに、過当競争で年収300万以下…。
受験勉強に勝ち抜いて学歴を手に入れることが成功の道という風潮は、今はもう神話。今では学歴ではなく、必要なのは経験知だと2人のカリスマは言います。
経験を積み重ねることでお金が生まれるカラクリがわかります。お金儲けの世界では「学歴よりも経験」が当たり前のことと認識することが必要なのです。
何もしなければ、何も生まれずゼロのまま。
でも、100の実践のうちひとつでもうまくいけば、そのひとつがうまくいった理由を考え、次のチャンスにつなげることもできるのです。
成功も失敗も全ては「経験知」ということです。まずは打席に立ってみることが大事です。
「オリジナリティ」より「パクり」。
はじめこそ、信用できる人の話に乗り、やり方をパクる。そうすることで、自分自身に合ったやり方というものも見えてくるはずです。
さて、あなたのこの後の未来はどう変わっていくでしょうか?
実践ポイント
とりあえず仕事をして、義務だから税金を払って、余ったお金で何となく生きている。「まぁいっか」「そういう仕組みだし」とどこか他人事にしていませんか?
まず第一歩は「給与明細を見ること」から始めてください。
いくら分が税金として引かれているのかを「認識」すること。当たり前のことに“疑問”を持ち、日本のお金の真実を知ることが大切です。
次に、お金を増やすために「教えを請う相手からすべてを吸収するつもりで臨んで」ください。
まずは徹底的に“パクる”。
知識として知っているだけでは、不十分。その知識を徹底的に真似て利用し、実際に経験してみることで、はじめて身についていきます。
お金について、他人事で過ごしていくのではなく、自分事として捉えることが大切です。
分からないことに対しては不安になるのが人間です。
だからこそ、まず身近な「明細の確認」から始めてはいかがでしょうか?
感想・書評・学んだこと
お金の話というと、難しいな…よく分からないな…と感じる人が多いかもしれません。そもそもお金について考えることが嫌という方もいるのではないでしょうか?
ですが、事実として、お金のことを見て見ぬふりすればするほど苦しい思いをすることになってしまうのです。
だからこそ、私は「お金との距離を縮める」キッカケとしてこの本を読んでほしいと思います。
税金を払うために働き続ける…そんな未来でいいのでしょうか?
搾取されていると実感することはないかもしれません。しかし現実は間違いなく、搾取されてしまっているのです。
私は社会人5年目の26歳です。社会人1年目の時は税金として引かれる額は少なく貯金も少しですができていました。そして、社会人2年目。源泉徴収票を見て、通帳に入った金額を見て、ショックを受けました。
税金でたくさんの金額が引かれているんです。
びっくりしました。
生きてるだけでこんなに税金がかかるのかと。一生懸命働いたのに、何万も差引かれてしまうのかと。
知らず知らずのうちに損をしてしまうこと、気づかないうちに引かれていることを知りました。税金を差引いて、自分が使えるお金を知っておくことが大事だと悟りました。
お金は一生ついて回るものなのに、学校や会社では教えてくれません。自分で知るしかないのです。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という孫子の言葉があります。
敵についても味方についても情勢をしっかり把握していれば、幾度戦っても敗れることはないということ。
つまり、お金の仕組みや世の中の経済事実を把握していることが、今の日本で生きていくために使える武器と私は捉えられると思っています。
知らなければ戦えない。
将来の家族のため、自分自身の輝かしい未来のため、「今」少しでもお金について知っておくことが大事な気がしませんか?
最高の名言
もしもあなたが人生を本気で変えたいと願うのであれば、今、目の前にある現実から逃げてはいけません。それに向き合い、全力で取り組むこと。もし、その状況に心が折れそうになったときは、どうか「まだまだこんなものじゃない」という気持ちを思い出してください。その想いは必ず大きな力となって、あなたを新しい世界へと突き動かす原動力となるに違いありません。
最後の章のこの一節に、2人のカリスマの想いが詰まっているなと感じます。
まずは一歩だけ、一打席だけ…そんなちょっとの行動が新しい世界を見るきっかけになると思います。勇気を出して、扉を開いてみましょう。