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『論点思考BCG流 問題設定の技術』(内田和成)あらすじ・要約・感想まとめ

内容紹介

日々、数えきれないほど多くの問題を抱えている企業は、限られたリソースの中で問題を取捨選択、解決し、成果をあげなくてはいけません。

正しく問題を解くためには、正しく問いを設定する必要があります。

問いの設定を間違えれば、問いを解いても成果を得られません。つまり、目的・ゴールの実現に向けて、複数ある問いの中から、解くべき問いを設定することが最も重要なのです。

本書では、長きにわたってコンサル業に関わってきた元ボストンコンサルティンググループ日本代表である内田和成氏が、優れたコンサルタントは業務中に頭の中で何を考えて問題解決に取り組んでいるかを解説します。

題名論点思考 BCG流 問題設定の技術
著者内田和成
出版社東洋経済新報社
発行日2010/2/11
ページ数235ページ

こんな人にオススメ

・限られた時間の中で、パフォーマンス力をあげて成果を出したい人

・膨大な情報を簡潔にまとめたい人

・ビジネスパーソンとして成長したい人

著者紹介

著者名 内田和成

内田和成は、東京生まれの経営学者・コンサルタント。

東京大学工学部電子工学科を卒業し慶應義塾大学院でNBAを経て日本航空に入社。

その後、ボストンコンサルティンググループでハイテク・情報通信業界、自動車業界、金融業界など幅広い業界で、コンサルティングを経験。

Consulting magazine誌にて世界の有力コンサルタント25人に選出される。2006年から2022年3月まで早稲田大学ビジネススクールにて、競争戦略研究やリーダシップ論を担当。

『論点思考BCG流 問題設定の技術』要約

論点思考とは何か?

論点思考をする際、最初にすべきは「何を論点に設定するか」を考えることです。論点がずれていたら、導き出すための思考プロセスも全てが無駄になってしまいます。つまり、一番してはいけないことは「間違った問いに答えること」です。仕事で成果を上げるためには、真の問題に気づく力が最も重要になります。問題設定の誤りは、時間とエネルギーを失うことにつながります。この真の問題、とくべき問題を「論点」といいます。そして、論点を設定するまでのプロセスが「論点思考」です。

疑うことから始まる。

問題が提示された時、「果たして、本当に論点は正しいのか」とワンクッション挟むことで解決してもあまり結果が出ない問題を解かずに済みます。きちんとした問いの設定さえしてしまえば、方向性が決まっているので失敗しても解決策を実行していけば解くことができるのです。

真の問題を解決するために求められていること

問題解決能力が優れている人は、何が問題なのか、それは解けるのか、解けるとどんないいことがあるのかを考えます。論点は、ただの問題点ではないです。論点は人によって異なり、環境によって変化します。同じ問題を抱えていてもその人の立場で問題レベルが変わってきます。そして、ビジネスプランや様々な外的要因の変化により最も解決すべき問題が変わります。

論点候補の出し方と絞り方

論点を絞り込むためには、「あたりをつけること」「筋の良し悪しを見極めること」が重要です。過去に自分がした経験や考察をもとに仮説を立て、論点を絞り込みます。前回、Aで失敗した時と同じことが起きているからAではないBの方法ならいけるのではないかと考えてみます。あるいは、解決できるか、できないかを見極めてできるだけ高確率で答えが出そうな論点を絞り込みます。論点を絞り込むプロセスの中で間違った問題、解くことができない問題、やらなくてもいい問題はすぐに外すのがポイントです。

論点を確定する

論点を絞り込むことができたら、実際に確かめてみます。
絞り込む方法として以下の3つのパターンがあります。

1、質問して話を聞いてみる

2、仮説をぶつけて反応をみる

3、現場を見る

1、質問して話を聞いてみる

質問をすることによって、クライアントから知らない情報、まだ提示されていない情報を知ることができます。それらを踏まえてから論点を新たに整理します。

2、仮説をぶつけて反応をみる

相手の反応を見ながら、質問を変えて論点を探る方法や実際に相手から聞いた話を整理し仮説を一度ぶつけてみます。質問や仮説に対する反応を通し、クライアントがなぜこの問題を解きたいのか?クライアントの発言や、意図、バックグランドをきちんと理解することで理解することができます。

3、現場を見る

現場に行ってみて、実際にその問題を解きたい人の行動を見ることで新しい気づきが生まれます。聞いた情報やもらった資料だけで全体を把握するのではなく、実際に現場に行くことでまだ得ていない情報が見つかることもあります。

全体像を確認する

論点が、明確になってきたら整理する作業が始まります。整理する作業とは、具体的には紙に書くことです。論点候補を箇条書きしたり、論点を書き出して、関連性のあるものを線で結び紐づけたりしながら論点を整理していく方法があります。

論点思考を高める為には?

実際に論点思考を高めるためには、どのようなトレーニングをしていけば良いのか。
常に、解決されるべき問題は何かを考えることが大切です。準備された問いをそのまま受け入れるのではなく、本当にこれで良いのか疑いながら作業をすることによって思考力が向上します。準備された課題に対して、さまざまな視点を持って考えることで論点思考の力を高められるのです。自分が普段考えない視点で課題を見てみたり、立場が上の人の視点を取り入れて、自分の立場じゃない目線に立って考えるのです。そうすることで自ずと論点思考ができるようになります。

複数の論点を持つことでも、論点思考の力を高められます。目の前の問題を複数の論点を持つことで、真の論点に近づく可能性が高くなってきます。1つの点にこだわっていると、大事な論点を見逃すかもしれません。反対意見を考慮しながら論点を考えることで、違った提案の仕方が思い浮かんできます。

さらに、自分の興味のある分野と仕事で、必要な素養を増やしていくことでさまざまな角度で問題意識を持つことができるようになります。得た情報を無理にまとめて覚えるのではなく、興味の赴くままに情報としてとらえることも大切です。知識を広げることで、問題意識のアンテナが広がり、自然と情報を得られるようになります。また、聞く力を鍛えることも大切です。クライアントに反論されても、説得することにとりかかるのではなくまずは傾聴することです。相手が不満に思っていることから論点に気づく可能性もあります。1つ1つ実践してくことで論点思考が身に付きます。

実践ポイント

この本から一番学んだのは、「解決すべき問題が何か」を見極める大切さでした。

コンサルをするにあたって、問題を解決する能力は必要です。

ですが、それが本当に解決するべき問題なのかという点が重要です。

もし、問題を解いた後でもトラブルばかりでは意味がありません。

このようなことをなくすために解決すべき問題の設定が大事になってきます。

この本では、問題設定の取り組み方が、具体例を多く交えながら書かれてます。

経営者やコンサルティングされている方に、読んでいただきたいです。

今までと違った課題への取り組み方が見えてきます。

また、本の最後には「論点思考力を高めるためのトレーニングの仕方」も書かれているのでぜひ読んだ後に実践してみてはいかがでしょうか?

感想・書評・学んだこと

この本は、日々、優秀なコンサルタントがいかに問題設定をし解決していくかが書かれています。

問題を解決する方法が書かれている本はよく見るのですが、解決する前の行程である問題設定のところから書かれていました。

勝負は、論点を絞り込む段階の巧拙ですでに決まっています。

問題解決能力がある人は、最初の問題設定がうまいからこそ、鮮やかに問題を解決することができます。

トラブルを解決しても、成果を上げなければ意味がありません。

そのために必要なスキルが”問題設定”の力です。

きちんとした問題設定をすることで、やる作業が減ることが明確になりました。

実際にコンサル会社に勤めていない人にもオススメの本です。

日頃抱えている問題や目標を持って物事に取り組むときに解決策を探すのではなく、「これって、本当にここが問題なのか?」と別の視点で考えると違った世界が見えてくると思います。

最高の名言

ビジネスにおいて本当に大事なことは、やらないことを決めることだ。

問いの設定が間違っている実行ほど無意味なことはない。

本当の原因と症状が出るところが直結していない場合が多い。

大切なのは、問題設定。問題設定は、現状抱えている問題と未来への構想を点と点で繋げるために欠かせないロードマップの1つです。解決策だけを考えるのではなく、問題を解決した世界のその先のことを考えて”問い”と向き合っていきましょう。

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